story.10 巫女

青竜せいりゅう

「ゼロちゃんと合う妖一族は、妖狐一族、鞍馬くらま天狗一族が最初はおすすめじゃな。妖ならどの一族でも大丈夫じゃ。そして、会いに行くのは面倒だと思い鞍馬くらま若造わかぞうと九尾の若造は連れてきておる。」


九尾の狐と天狗が姿を現した。


九尾の狐

「あぁ、よろしゅうな。」

大天狗1

僧正坊そうじょうぼうの息子だ。よろしく頼む。」

零蘭れいら

「もふもふ…」(九尾の尻尾しっぽを見ていた)

九尾の狐

【う〜ん、なんやろう。触りたいんかな?】

「触る?ええよ。」


九尾の狐が言った瞬間しゅんかんに零蘭が飛びついた。

それを見ていた十二天将はびっくりしていた。


九尾の狐

「ほんまに甘えん坊さんやなぁ。」(優しく零蘭をでていた)

青竜せいりゅう

「そうじゃの。ゼロちゃんや、どうするんだい?」

零蘭れいら

「どうしよう…」


話していると、白い虎がやってきた。


白虎びゃっこ

「久しいな人間の娘。」

零蘭れいら

「久しぶり。ねぇ、どうすればいいと思う?」

白虎びゃっこ

「眷属のことか?」


零蘭は九尾から離れて白虎の近くに行き、耳や尻尾を触っていた。


零蘭れいら

「うん。妖狐か天狗。」

白虎びゃっこ

僧正坊そうじょうぼうに聞くといい。きっと、良い助言をしてくれるだろう。」

零蘭れいら

「わかった。じゃぁ、鞍馬くらま山行ってくる!」

青竜せいりゅう

「あぁ、それがいいじゃろう。あぁ、先に言っておくが、十二天将じゅうにてんしょうは一緒に行くでないぞ。美奈の件があるからな。」

深雪みゆき

「……わかりました。」

零蘭れいら

「じゃぁ、行ってくる。」

大天狗1

「じゃぁ、行く。その父上の羽をにぎれ。」

零蘭れいら

「うん。」


零蘭が羽を握った瞬間に九尾と大天狗、零蘭が消えた。


白虎びゃっこ

「どうやら、無事に行けたようだ。」

青竜せいりゅう

「そうじゃな。」

あおい

「いつ頃、帰ってくるか青竜様たちはお分かりになれるかの?」

白虎びゃっこ

「わからないな。候補が見つかるまでだろうな。」

すばる

「どこで、待つか…」

青竜せいりゅう

「ここで待つと良い。幸いに、人間も寝泊りできるようになっているからの。」


滝の後ろに行くと、大きな家となっていた。

零蘭たちは…


僧正坊そうじょうぼう

「零蘭か。どうした?」

大天狗1

「父上、青竜様と白虎様から零蘭の眷属について助言をもらうようにとのことでした。」

九尾の狐

「青竜様と白虎様から、妖狐か天狗がええやろとは言われとる。せやから、どっちがええか助言が欲しいって感じやな。」

僧正坊そうじょうぼう

「そうだな。零蘭、適性てきせいは何が出ていたか聞いていいか?」

零蘭れいら

「知らない。」

僧正坊そうじょうぼう

「はぁ…」

九尾の狐

「あははは。ほんに、零蘭は自分のことに興味がないんやね。適性は、捕縛ほばく術、結界けっかい術、眷属けんぞくやったかな?」

僧正坊そうじょうぼう

「そうか…攻撃こうげき力がなく防御ぼうぎょ力に特化とっかしているか。」

大天狗1

「そうです。」

零蘭れいら

「へぇ、そうなんだ。」

僧正坊そうじょうぼう

「それは、知っておけ!」(零蘭の頭をわしゃわしゃと撫でた)

零蘭れいら

「うわぁぁぁ!やめれ!」


わしゃわしゃと撫でるのをやめた。


僧正坊そうじょうぼう

「零蘭には、攻撃力が足りないな。妖狐一族の攻撃力をもらうのがいいだろう。天狗は、空中戦だからな。」

零蘭れいら

「わかった。じゃぁ、連れてって?」

九尾の狐

「あぁ、ええで。あ、うちのことは…まぁ、あれやな。大徳だいとくひと様やね。」


以下から九尾の狐は大徳壱と表記します。


零蘭れいら

「何それ。」

大天狗1

「妖怪には名前ない。その代わり、役職で呼ばれる。」

零蘭れいら

「へぇ、そうなんだ。わかった。大徳壱だいとくひと様ね。わかった。」

大徳壱だいとくひと

「あぁ、そうや。じゃぁ、行くで?」


次の瞬間には、妖狐の里に来ていた。


零蘭れいら

「うわぁぁ!」(目をキラキラさせていた)

大徳壱だいとくひと

堪忍かんにんな。」(零蘭を抱き上げた)

零蘭れいら

「うわ!」(びっくりしていた。)


その後、里をゆっくりと歩いていくと…


狐多数

「きゃーーーーー!大徳壱様よ!!!!」

零蘭れいら

【すごい、人気…】

大徳壱(すごく小声で)

「ほんまに、邪魔くさいな。地位が欲しいだけやろ。」

零蘭れいら

「どうしたの?」

大徳壱だいとくひと

「ううん。なんでもあらへん。いこか。」


里の中心にある、お城の最上階に来ていた。


大徳壱だいとくひと

「お久しぶりですぅ、巫女みこ様。」(綺麗に座っていた。零蘭は横にいる。)

零蘭れいら

「…」

巫女みこ

わらわは、巫女や。そこの大徳壱は息子や。美奈の娘の零蘭やな?」

零蘭れいら

「なんで、名前…」

巫女みこ

「それは、わらわが美奈の眷属やったからな。僧正坊そうじょうぼうから知らせは来とる。妖狐一族から選ぶのやったな。この広間におる妖狐から選ぶとええやろう。力も強いからな。やけど、そこにおる愚息ぐそくすすめへん。こいつと契約してもええことなど何もあらへん。地位だけはあるが、問題児やからな。問題を起こして逃げたと思うたら…美奈の娘を連れ帰ってくるなんて。戻ってきたからには、罰は受けてもらう。地下牢にブチ込むのや。これは、命令や。」

大徳壱だいとくひと

「やっぱり、そうなるんやね。じゃぁね、零蘭。」


大徳壱が連れて行かれてしまった。


巫女みこ

「これで、ゆっくり選べるやろ。」


一気に、零蘭の表情がくもった。


零蘭れいら

「大徳壱様は、何をしたの?」

巫女みこ

愚息ぐそくは、大徳壱っちゅう地位におぼれ、人間との間に問題をようさん起こしたのや。人殺し、生贄いけにえ、神隠しなどな。そのせいで、陰陽師がわらわたちの里に押し寄せたのや。許されるわけがあれへん。」

零蘭れいら

「そうなんだ。でも、」

巫女みこ

「美奈のおかげで円満えんまんに収まった。やけど、ばつを下さへん訳にはならへん。せやから、地下牢に閉じ込め食事も何も与えへんかったのや…気づいた時には、いなくなっとった。かれこれ、20年以上前の話やけど。」

零蘭れいら

「どのぐらい閉じ込めてたの?」

巫女みこ

「2、3年や。」

零蘭れいら

「!今回は?」

巫女みこ

「無期限や。まぁ、愚息ぐそくのことは気にしのうてええ。ここにおる、妖狐から選ぶとええ。」

零蘭れいら

「うん…」


それから、半日ほどいろいろな妖狐と話した。


巫女みこ

「どうや?選べたか?」

零蘭れいら

「ううん、まだ。」

巫女みこ

「さよか。まぁ、何日でもここにいてええから。しっかり選ぶんや。」

零蘭れいら

「うん。」


それから、1週間ほど経っていた。

大徳壱だいとくひとは…


大徳壱だいとくひと

【はぁ、またか。水しかもらえんかって、数日に1回しか食事も出ぇへん…抜け出したい。】


地上に繋がる階段の方から、コツンコツンと誰かが降りてくる音が聞こえた。


巫女みこ

「今回は、大人しい様やな。」

大徳壱だいとくひと

「なんや?嫌味でも言いに来たんか?」

巫女みこ

「いや、零蘭について話そうと思うてな。まだ、眷属を決めていひん。ワレ(大徳壱のこと)と別れてからはどこぞ上の空や。ワレに会いたいと常々つねづねつぶやいとるのを聞いとる。」

大徳壱だいとくひと

「さよか。零蘭が零蘭が会いたいと言うても、会わせる気ないやろ?」

巫女みこ

「せやな。まぁ、大人しくしとくんやな。」


巫女様がいなくなった。

その数秒後…



九尾の狐が大徳壱と呼ばれていました。

狐の階級についてお教えします!


1 巫女みこ

2 大徳だいとく

3 中徳ちゅうとく

4 小徳しょうとく

5 大仁だいにん

6 中仁ちゅうにん

7 小仁しょうにん

8 大礼だいれい

9 中礼ちゅうれい

10 小礼しょうれい

11 大信だいしん

12 中信ちゅうしん

13 小信しょうしん

14 大義だいぎ

15 中義ちゅうぎ

16 小義しょうぎ

17 大智だいち

18 中智ちゅうち

19 小智しょうち

20 みん


巫女は1人しか存在しない。族長のことである。

20 の階級があるが、その中でも階級に数字を足した呼び方をしている。

大徳壱は大徳といちという感じに呼ばれている。

数字は、その階級でのランクである。


新・登場人物紹介!

巫女みこ

妖狐一族の族長である。

大徳壱の母親である。

とても厳しい。美奈みなの眷属だった。


以上で紹介は終了です!


story.11に続く

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