story.06 九尾

零蘭れいら

「あぶなーーーーーーーい!!!!」

ゆずりは

『転移』『霧氷むひょう』(人が変わったように、前髪をかき上げ危なげな笑みを浮かべていた。まるで、殺人鬼さつじんきのような。)


転移:転移術・〇〇の省略版しょうりゃくばん

霧氷むひょう:対象物の水蒸気を氷点下ひょうてんか(0度以下のこと)にし、対象物を氷漬こおりづけとする術。


零蘭れいら

【え、何、この変わりぶり。】

妖1

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!」(氷漬けとなった。)

ゆずりは

「問題ないか?」

母親

「ありがとうございます!!!」


一般人には小物の妖は見えないが、中級程度の力を持った妖の姿は見えてしまう。今回の妖は一般人に見えていたことから中級以上と推測すいそくできる。その容姿から、小鬼こおにだとわかった。


妖2(零蘭の後ろからのどに爪を突きつけながら小声で。)

「動くな。動いたら、その喉を切る。」

零蘭れいら

「!!わかった。」

妖2

「おい!そこの陰陽師!!見逃せ!見逃さなければこの娘を殺す!」

ゆずりは

「それは!」

『通信術・貴人』

ゆずりは:ゼロちゃんが人質ひとじちに!!!

深雪みゆき:どうゆうことだ!?

ゆずりは:妖がゼロちゃんの喉に爪を突き立てています。

深雪みゆき:少しでも、あやまれば、ゼロの喉を切られ死ぬということか。

ゆずりは:はい。どうされますか?

深雪みゆき:…うん、逃してしまえ。そのあとを追う。

ゆずりは:了解しました。

『通信術・解』

ゆずりは

「あなたを、逃します!」

零蘭れいら

「ぇ!?」(絶望しているような顔になっていた。)

妖2

「ギャハハハハハ!ザマァ、ミヤガレ!」


その後、その妖怪のアジトに来ていた。


妖2

「ツレテキタ!コレデ、陰陽師テダシデキナイ。」

妖3

「オー!!ヤルジャネエカ!」

零蘭れいら

【どうして…助けてくれなかったの。どうして…なんで…でも、あの天空てんくうの人、術使ってたみたいだし…作戦なのかな…でも!大人はすぐに裏切る…】

妖4

「コイツ、霊力タカイ。タベヨウ」(ニタっと笑いながら)

零蘭れいら

【食べられるの!?早く助けて!!!!】


しばらくして…


深雪みゆき

「手を離せ。」

『消えろ。』(妖が消え去った)


説明しよう!!

十二天将には十二天将のみがあつかえる術があるのは知っているよね?

12個の術が存在している。貴人きじんの扱える術は『言霊ことだま』とされている。とても強力な術で霊力が少ないとこの術を使うことは無理である。『言霊』は意思いしの強さによって左右される。


深雪みゆき

「大丈夫か?」(零蘭にけ寄り、抱き上げた)

零蘭れいら

「大丈夫。」

深雪みゆき

「この後の予定を変更する。すぐに、六合りくごうのところに行く。怖かっただろう。少し、休んでおけ。」


森羅しんら自由みゆ六合りくごう屋敷やしきに来ていた。


自由みゆ

「首の傷と手足の拘束こうそくされたあとだけですね。それ以外は何もありませんね。」

深雪みゆき

「そうか。」

零蘭れいら

「…」(首の包帯ほうたいを触っていた。)

ゆずりは

「あの、首、痛みますか!?」

零蘭れいら

「大丈夫。痛くない。」(とても冷たい目で深雪みゆきたちを見ていた)


零蘭が立ち、外に行ってしまった。


あおい

「はぁ…。これは、まずいことになった可能性があるのぉ。」

深雪みゆき

太陰たいいん、どうゆうことだ?」

あおい

「ゼロの兄は殺されておる。その捜査を打ち切りにしたのは警察のじじぃどもだからの。大人を信じていないのだろう。どうせ、約束も守れない裏切る人とでも思っているのだろう。」

深雪みゆき

「そんなことがあったのか。こちらが見逃みのがした時だな。」

ゆずりは

「それは、わ、私が…す、す、すみません!!!」

あおい

「お主のせいではない。このような子供に育ててしまったこの環境が悪いだけじゃ。」

ゆずりは

「そうでしょうか。通信術を使えば…よかったのではないかと…」


その頃、零蘭は…

庭にある池の前にいた。


零蘭れいら

「大人は…裏切る。信じちゃダメ。」

???

「人間の娘、何しとる?」

零蘭れいら

【なんか、綺麗きれいな男の人…。】

「だれ?ここの人じゃない。」

???

「うちのことはどうでもええ。人間の娘、なんでこないな場所で物騒ぶっそうなことを言っとるん?」

零蘭れいら

「また、裏切られた。人間なんて大嫌い。」

???

「ふふ、あんたも人間やろ。ケッタイなことをいぃなや。なんで、人間がきらいなん?」

零蘭れいら

「なんで、妖怪に話さないといけないの?」(すごく睨んだ)

???

「なんで、妖怪ってわかったのか聞いてもええ?」(今まではすごく優しそうな笑みだったが、急に真剣な顔で話し始めた。)

零蘭れいら

「別にいいけど…ここにいたら、消されるよ?」

???

「せやな、せやけど、妖怪ってわかるのきみしかいぃひんと思うけど…まぁ、そうやな。場所を移すから一緒に来てもらうことになるけどええ?」

零蘭れいら

「いいよ。どうせ、あいつらなんとも思わないと思う。」

???

「決まりやね。じゃぁ、行こか。」


その人型の妖と手を繋いでまばたきをした少しの間で知らぬ場所に来ていた。


零蘭れいら

「ここ、どこ?」

???

「さぁ?どこやろうな。まぁ、付いてきて。」


早乙女さおとめ深雪みゆき貴人きじんたちは…


自由みゆ

「少し、庭に行ってきますねぇ。ゼロちゃんをむかえに行ってきます。」

深雪みゆき

「あぁ、頼む。」


しばらくして、森羅しんら自由みゆ六合りくごうあわてて部屋に入ってきた。


あおい

「どうしたのじゃ?」

自由みゆ

「ゼロちゃんがどこにもいません!!!!屋敷のものにも探させていますが…どこにも…」

深雪みゆきあおいゆずりは

「!?」(とても驚いていた。)

深雪みゆき

「すぐに探し出せ!十二天将のみで行動とする!」


十二天将たちがあわただしく行動し始めた…。

そんなことになっているとも知らずに零蘭は………


どこかの山の中であった。頂上付近ちょうじょうふきんにある、2本の杉の木の前に来ていた。


???

「目を開けてはいけへん。」


その人型の妖と手を繋ぎそこを通ると、あたりには天狗てんぐしかいなかった。零蘭が横を見てみると…


零蘭れいら

「狐?…尻尾しっぽ9個ある。九尾きゅうび?」

九尾の狐

「あぁ、そうやで。言ってへんかった?」


九尾になった姿を見て零蘭が目をキラキラしていた。

人型の男性の姿に、耳と9本の尻尾が生えている姿をしている。


零蘭れいら

【もふもふしたい!!!】

九尾の狐

【ん?なんか、すごい見られとる…なんなん?】


九尾の狐

「うち、変なところある?」

零蘭れいら

「ううん、別に…」(ずっと尻尾と耳を見ている。)

九尾の狐

「?…あぁ、尻尾と耳が気になるん?触って見ぃひん?」

零蘭れいら

「え、いいの!?」(すごく目をキラキラと輝かせていた。)

九尾の狐

「あぁ、ええで。せやけど、ある人にあってからや。」

零蘭れいら

「あるひと?」

九尾の狐

「あぁ、そうや。」


それから淡々たんたんと、あるお屋敷に向かって歩いていた。


門番もんばん1

「何ようだ?」

九尾の狐

僧正坊そうじょうぼうはんに会いにきたんや。あの女の娘を連れてきたって伝えてもらってもええかな?」

門番もんばん2

「わかった。ここで待て。」


門番の1人が中に入っていった。


零蘭れいら

「ねぇ、大丈夫なの?」

九尾の狐

「あぁ、大丈夫や。少し、待ってればええから。」

零蘭れいら

「うん…」(少し、不安そうにしていた。)


零蘭が不安そうに見ているのに気づき、九尾の狐が零蘭のことを抱き上げた。


零蘭れいら

「うわ!」

九尾の狐

「なんや?そないに、緊張せんでええ。大丈夫やから。」(ニッコリ微笑ほほえみかけた。)


門番1

「…確認が取れました。こちらへどうぞ。」


門番に案内されて、屋敷の1番奥の部屋に来ていた。


九尾の狐

「お久しゅう。この娘や。霊力が似とる。」

僧正坊そうじょうぼう

「あぁ、この娘が美奈みなの娘か。」

零蘭れいら

「お母さんを知ってるの?…」



妖怪紹介!

妖狐ようこ

妖狐について説明していこうと思います!

妖狐には1本〜9本まで尻尾を持つ狐が存在しています。

本数は生まれた時から上限は決まっています。

その上限は、本人にも誰にもわかりません。

ある程度の年を重ねると自分の限界の本数がわかるみたいです。

九尾になるには最低でも1000年は生きていると言われています。

1000年以上生きていても九尾ではないものももちろんいます。

九尾になるには、資格、資質、妖力が必要となってきます。

妖狐には種族が9つあります。9つもあるので、まとめ役もいます。

1、族長ぞくちょう

妖狐一族の中で1番力の強いものがなる。

2、種族長

9人います。それぞれ九尾が種族長を担っています。

3、それぞれ種族の重役

4、一般妖狐

とこのようになっている。

種族は…

空狐くうこ

長命な狐が多く、術に長けている。

エリートがよくいるのが空狐である。

体は白く、尻尾は先に向かって紫色にグラデーションされている。


天狐てんこ

神通力じんつうりきを使用できるものが多い。

体は白く、尻尾は先に向かって青色にグラデーションされている。


仙狐せんこ

仙術を使用できるものが多い。

体は白く、尻尾は先に向かって緑色にグラデーションされている。


金狐きんこ

平均的に霊力が高い。プライドが高いものが多い。

体は白く、尻尾は先に向かって金色にグラデーションされている。


銀狐ぎんこ

高度な術が使える者が多い。美意識が高いものが多い。

体は白く、尻尾は先に向かって銀色にグラデーションされている。


黒狐こくこ

闇系の術が得意なものが多い。呪いなど…

体全体が黒く、尻尾は先に向かって白いろにグラデーションされている。


白狐はくこ

諜報ちょうほう活動が得意である。

体全体が白く、尻尾も白い。


気狐きこ

武闘ぶとう派である。

体は白く、尻尾は先に向かって赤色にグラデーションされている。


野狐やこ

農作業とか、ほのぼのしてる。

体全体が狐色で、尻尾は先に向かって白色にグラデーションされている。


上記が妖狐の特徴です。


【天狗についてですが、今回あまり登場していないので次回説明します。詳しく話してしまうとネタバレになってしまうので次回までお待ちください。】


新・登場人物紹介!

九尾の狐

妖狐一族の1人。種族は、空狐である。

人型になった際は、長いであろう髪をかんざしでまとめていた。

関西弁が特徴的である。

いつもニコニコしていて、本心が見えない。

九尾ということから最低でも1000歳は超えていると思われる。

人型の際、髪は銀色であった。目は、淡い紫であった。


story.07に続く

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