第24話
初日の練習が終わり、帰宅。
今日は初日だったし、打てることができるようになるまでの練習だったので、そこまで…?というな感じで終わったけど、他のみんなにはまだやる気なの…?とドン引きされた奏空です。どーも。
私も琉愛も打てるようにはなったので、良かったんだけど、私は身長がみんなよりも低いから、スマッシュの角度とかカットの角度とかがまだまだという自己判断をして、練習を要求したけど、黒岩選手に却下されました。黒岩選手曰く、
「オーバーワークは体に毒だよ」
とのことらしく、練習時間8時間ぐらいで止められました…。
「それで、奏空はまだまだって感じなの?」
とシャワーを浴び終え、部屋着に着替えてきた琉愛がそう尋ねてきた。
「まだまだって、バドミントンの話?」
「そう、まだまだ練習し足りない!とか言ってたから、奏空的にはまだまだなのかなって」
「全然、私的にはね。スマッシュの角度とかカットの角度とか全然だめだめ。浮いちゃってる」
「ふーん」
と、興味がなさそうに返した琉愛。いや、お前が聞いてきた話じゃん…。
と琉愛にツッコんでると、
「奏空的には、私はどうだった?」
と、琉愛がまた尋ねてきた。
「琉愛は別に、大丈夫だと思うよ、初日だし、上出来っていうぐらいのレベルまで打ててる。角度もよかったし、クリアの距離も奥までしっかり飛んでたっぽいし」
「なるほどね…」
と、考え込む琉愛。なにか、白木選手から言われたんだろうか…?
「白木選手も奏空と大体同じこと言ってたんだけど、奏空的にはどうなのかなって思ってさ。気になっただけだから、そんな気にしないでいいよ。早くシャワー浴びないと、風邪ひいちゃうから、ほら早く」
「あ、うん、ありがとう」
と、私にシャワーを急かす琉愛。汗流すだけだから、髪は洗わなくていいなどとも言われ、私はシャワーを浴びてくることにした。
奏空はああ言ったけど、私のレベルは『初心者』にしては、が絶対つくんだよね…。
白木選手のノックを受けてる間の私と黒岩選手のノックを受けている奏空をテレビで見比べながら、そう思った。
私の打ち方は、みんなが言うに、キレイらしい。基本に忠実で、ちゃんとどこでインパクトをするのかというのを白木選手に教わった。
でも、奏空の打ち方とは、違うのだ。奏空も基本に忠実ではあるのだが、なにか洗礼されたような動きなのだ。全くと言って無駄がない。シャトルを飛ばすことに体全ての力を使っているが、脱力しているようにも見える。
白木選手も『奏空ちゃんのフォームは惚れ惚れするね、キレイ』とつぶやいていたぐらい。
私も奏空のようなフォームにならないと…。奏空にはついていけないよね…。
なにが私にかなう要素がないだ。逆だよ。逆。
私がどうにかして、奏空が思い描くようなプレーができるまで、レベルをあげないと…。
とりあえず、明日から練習頑張ろう。
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