第22話
「それで、聖女様の奏空ちゃんの方に問題発生っていう感じでいいのかな?」
と白木さんが事前に事情を聞いていたのか、私に聞いてきた。
「そうですね…。今までやっていた感覚とは違う感じになっちゃったので、かなりの問題というか…」
「なるほどね…。ん?今までやっていた感覚ってバドミントンやっていたってこと?」
「そうなんですけど…」
「奏空は元々あっちの世界では男子だったんです」
と、琉愛が私が話そうとしていたこと話した。
小学生で日本一になったことや、バドミントンを本格的にやらなくなった理由、こっちの世界に来て性別が変わったことまで全て話してくれた。
「という感じで、奏空は色々と変化しすぎちゃって…」
「で、あっちの世界での男の子の感覚でやろうとしたら、リーチの長さとかに戸惑って、打てなくなっちゃったってことでいいかしら?」
と、ここまで口を閉ざしていた黒岩さんが的を射たことを言ってくれた。
「つまるところ、そんな感じです。経験者ではあるんですけど、ほぼほぼ何もできないという感じです」
「それで、レスキューの電話だったと」
「未来、どうする?とりあえず、打てるようになるまで、ノックとかを上げた方が私はいいかなって思ってるんだけど」
「私もそれは賛成。これで無理に基礎打ちとかやっても、空振りが多発しそうだものね」
と、スマホを取り出す黒岩さん。メッセージを送ると、入り口からカメラを持った複数人が体育館に入ってきて、コート周辺にカメラを設置し始めた。
「とりあえず、二人ともには今からノックをやってもらうわ。とりあえず、琉愛さんはシャトル打てて飛ばすのが第一目標だけど、素振りのフォームのまま、打つように。それで、奏空さんは感覚に慣れるしかないわね。シャトルの落ちてくるタイミング、高さと打つ瞬間がかなり違ってくるから、それを今の体の方に合わせないといけないわよ」
「ということで、私が琉愛ちゃん、未来が奏空ちゃんを担当するっていう感じでいいかな?未来」
「それでいきましょう。二人それでいいわよね?」
「「はい!」」
カメラが設置され終わり、360度全方向からコートが見れるようなカメラの設置になったが、これも私の感覚修正のためと思い、ノックを受けるように準備を始める。
黒岩選手もノックのための準備を完了したようで、
「じゃあ、行くわよ。奏空さん」
「よろしくお願いします!」
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