第7話

「え、ちょっと、待って」

「うん」

「えーっと、その、好きだったってそのままの意味か?」

「うん」

「それはえーっと、恋愛対象としてか?」

「うん」

「でも、そんなこと見せなかったじゃん?」

「だから、だったなの」

“だった”とはどういう意味なんだろうか。

よく告白でも“だった”と言わないか?




ん?あれ、待てよ、“だった”とは聞いたこともないし、そう読んだことないな。

大体が“だ”とか“だよ”とかみたいな雰囲気が多い気がしてきた。

ということはつまり

「好きであったことは過去のことということか」

この答えが正解であろう。

「そう、その通り」




………やっぱりか。

なんか、そう言われると悲しいな。

やばっ、涙出てきた。

「だ、大丈夫?」

あぁ、好きな琉愛の前では泣きたくなかったな。

もう、このまま消えたいな。


「あっ、もう一つ言いたいことあるの」

なに、もう一つあるの?

もう俺の心を傷つけないでよ。


「私ね、レズなの」


はっ?

えっ?どういうこと?

俺のことを好きだったとは?えっ?どういうこと?

「あれ?おーい?聞いてる?」

「あっ、うん」

「それでね、先輩がね?」

聞くところによると、中学生のときに女子の先輩に強くせまれて、いやいや付き合ってみたらしい。そこまでは俺のことを好きだったのかと思ってしまうと、自分の度胸のなさに飽き飽きするのだが、その先輩とデートなどを繰り返していると、だんだんと新しい扉が自分の中で開かれていったということを自覚していったらしい。一応、その先輩とは別れてしまったらしいが。でも、そんなことも知らないで、俺は呑気に学生生活を送っていたのか。はあ、もうなんかいやだな。


「それでね、なんで、奏空のことを見ると、顔が赤くなるかというとね?」

「うん」


そう、そこなのだ、俺が一番気になっている部分。

別に俺が好きなわけでもないのに、なぜ顔を赤らめているのか。

あ、でも、琉愛は女子のことがすきなんだよね。

確かに俺は今女子になっているから、恋愛対象になる可能性はあるのか。

となると、まさか??


「それはね?」


まじ?そんなことある?え?うそだろ?


「奏空がね、わたしのどタイプなの」


え。ま?


「いや、あのね?私よりちょっと身長が低くて、それで、銀髪か金髪で、んで、それで、碧眼なのが超超超超タイプで」


ほう?それで、確かにそうだ。俺の容姿にがっちり合う。


「それで、元々、幼馴染で、それで、あることをきっかけに親友から恋愛対象になって、それで、私が滅茶苦茶無茶なことをしたら、ものすごく心配してくれて、それで、私がタチだから、相手がネコの方がいいから、だから、TSした女子がめっっっっっっっっっっっっちゃ良くて」


それってさあ、狙ったよね。もう


「うん、もう、狙ってた」

「えっ、声に出てた?!」

「うん、出てた、もうね、可愛すぎ」


ああ、そっか、もう無理なんか


「だからね、私のタイプど真ん中ドストライクだったから、顔がめっちゃ赤かったの」

「それって、俺って、もしかして、滅茶苦茶琉愛の恋愛対象?」


脊髄反射で聞いてしまった。後先考えなかったのが、馬鹿馬鹿しいほどに


「うん、めっちゃそう、だからさ、付き合ってよ?」



ずっと好きな子からの告白、これは快諾しかないと思ってたけど……。






皆さんにどのようにこの作品が目に映っているのかを知りたいので、できれば、レビューお願いいたします……。



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