第6話
「そっ、そういえば、バドミントンといえば、奏空、小さい頃やってたよね?」
「まあな」
俺たちは今、そのおっさんが言っていた俺たちの住まいというところに着いて、リビングでぐうたらしていた。
王城の案内、バドミントンの練習場所を案内してもらい、ヘリコプターみたいなやつに乗って、空から王都も案内してもらった。
てか、ほんとに技術が発展してんな。
と住まいは8LDKの高層マンションの最上階。家具なども色々準備されていて、メイドや執事も1人につき1人ずつ、いてくれる。練習があるときは、マンションの屋上から乗っていたヘリコプターで、迎えに来てくれるらしい。
住まいも十分広いので不自由なく、問題が一つ存在する。
それはなんで、俺たち部屋一緒なんだ?というもの。
それについて、おっさんに問うと、
そもそも、聖女と勇者を同性の親友同士を召喚すると決まっていたため、一緒の住まいで住むというのは大丈夫だろうという考えのもとらしい。
いや、結論、身体は同性でも、精神は異性だし……。
と反論しようとしかけたところ、横から
大丈夫です、一緒に暮らしますと琉愛が言ってきた。
お前は大丈夫でも俺は大丈夫じゃないと言おうとしたのだが、
それなら助かりますとおっさんはすぐ帰ってしまうし。
ならば、どこか俺だけ宿に泊めてもらおうと俺が言い出すと
琉愛は駄々をこね、荒れた。ものすごく荒れた。
なんで、そんなに?俺って、何?好かれてる?と思いながら、この住まいで一緒に住むこと決定せざる得なかった。
ところで、話は変わるが、俺は小さい頃、バドミントンを一応習っていた。バドミントンブームになる前にだ。バドミントンは親が学生時代にやっていたというのもあって、物心ついた時から、ラケットに触れていた。あの事件がなければ、まだやっていたと思うが、今はもうやっていない。
「一応やってたというぐらいのレベルだから、もう忘れてるんだよな」
「えっ、いや、でも、ルールとかは一緒とか言ってたから、それは覚えてるでしょ?」
「ルールは覚えてても、もうどうやってプレーするか覚えていたかは忘れてんだよ」
「いやでも、でも私は……、いや、なんでもない」
「言いかけてやめるのはやめてほしいんだが?」
「いや、ほんと、なんでもないよ」
と言う琉愛の顔は真っ赤で、ちょっといじめたくなってきた。
「そういえば、あそこで、ここでは言えないと言ってたやつってな~に?」
かわい子ぶって、トコトコ歩き、琉愛に近づいて、上目遣いを使って、頭をコテンと傾けて、聞いてみた。
「ちょっ、やっ、やめて」
すると、もっと赤くなって、顔を背けてしまった。
「ん~?どういうことかなあ?」
屈んで、目を合わせようとすると
「ほっ、ほんとやめてっ!」
と、ちょっと怒られてしまった。
怒られたので、ちょっと離れてあげよう。
「それで、ほんとに言えないって言ってたことってなに?」
ソファに座り、その質問に応じるように聞いた
「あの、今からいう話は全部事実なんだけど、引かないでね?」
なんか、ものすごく重要なことをカンミングアウトするかのような神妙な面持ちで、俺と目を合わせて、おもむろに口を開いた。
「私ね、奏空のこと好きだったの」
…………はぇ。
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