元通り

 先生達も少ない。

 今がチャンスだ。

 掛けられていた時計を元の教室に戻して、修理された時計を掛け直した。


 「よし!」

 

 時計の針は折れる前と同じ様に動いている。

 無事に動くのを確認してオレは満足して教室を後にした。


 

 しかし、あの夢は何だったのか。


 また同じ帰り道を行くのは嫌だが、あの道でないとオレの家には辿り着けない。

 

 それに本当に夢だったと自分の目で確かめたい。


 震えながらもう一度時計店を通り、更に奴の居た場所に着いた。


 「何もない…。」


 何度か試しに近辺を往復する。

 しかし何も起こらない。


 「…やっぱり夢か。」


 安堵したオレは家へと帰った。


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