スグリノレクス【レシピ】
ここまでお付き合いくださってありがとうございます!
章の終わりにはカクテル講座と題してキール風にちょっとした解説回を入れます。
物語には関係ないため、必要ない方は先にどうぞ。
どなたかの『このお酒、試してみたい!』に繋がれば幸いです。
【キールのカクテル講座! スグリノレクス】
というわけで、俺たちの世界で「カクテル」は「
そっちの世界ではその昔、酒を混ぜ合わせていたカクトリエル……つまりバーテンダーに「それはなに?」と聞いたイギリス人がいたことがカクテルの語源になったんだ。
バーテンダーは酒を混ぜるのに使っている枝のことだと思って「コーラ・デ・カジョ」って答えた。
これを英語にすると「テイルオブコック」……つまり「
つまり鶏の尻尾に似た枝で酒を混ぜていたんだな。
……まあこれには諸説あるらしいけど、マルティさんとノッティさんはこっちが好きだって言ってたから採用。
そんなわけでこれを元に「カクテル」って名前は残しつつ、ファンタジーに変えて紡がれた話が『カクト・リェルの幻想酒譚』なんだ。
じゃあ次は今回出てきたカクテル【スグリノ】について説明していこう。
これは【キール】を元にしたカクテルだ。見てのとおり俺の名前もここから頂戴しているってわけだな。
フランスはブルゴーニュ地方のディジョン市で誕生したカクテル【キール】。
当時ブルゴーニュ地方のワインは売れ行きに伸び悩んでいて、それが誕生の一端となったといわれている。
このカクテルは市長のキールさんがブルゴーニュ地方の特産である辛口白ワイン「アリゴテ」とカシスリキュール「クレームドカシス」を用いて作ったんだ。
当然、
ちなみにカシスは黒スグリとも呼ばれ、スグリノって名前はそこから文字っていたりする。
さてこの【キール】は食前酒として振る舞われていたらしく、市の公式歓迎会では必ず提供されていたそう。
それが広まって、いつのまにか市長の名前で親しまれるようになった――すごくいい話だよな。
別名はヴァン・ブラン・カシス。こっちの名前も捨てがたかったけど……市長の名前ってことでこの幻想酒譚にはキールを採用したんだ。
そしてカクテル【スグリノレクス】。
これは予想できた人もいるかもしれないけど……【キールロワイヤル】が元だ。
【キールロワイヤル】はキールの王様、王族のキール、なんて意味で、白ワインをシャンパンに変えて作られたもの。面白いことにディジョン市に関係ないオーストリアで生まれたものなんだ。
開けてしまうとどんどん炭酸が抜けてしまうシャンパンが保存できるようになり、流行りだしたのもキールロワイヤルが広がる切っ掛けになったそう。
ちなみにシャンパンはスパークリングワインのカテゴリーのひとつだったりするんだ。
シャンパンは発酵させたあとで瓶にいれるとき、さらにブドウ糖と酵母を足して二次発酵させている。
いろいろなルールに基づいて作られていて、きめ細やかな泡が特徴。
だからちょっと高価なんだよな。
【キールロワイヤル】を作るのに、ほかのスパークリングワインで代用されることも多い。
【レシピ】
●キール
白ワイン 4/5
クレームドカシス 1/5
クレームドカシスは涙3滴くらいーなんて言われることもある。
食前酒としてはカシスリキュール少なめでさっぱりと仕上げていたんじゃないかな。
●キールロワイヤル
シャンパン(スパークリングワイン)4/5
クレームドカシス 1/5
カシスリキュールを多めにすれば甘くなるし色も濃い。
今回の【スグリノレクス】では多めに入れる設定になっているんだ。
それで
【おつまみレシピ】
甘くなく、さっぱりめに作られていただろうキールは食前酒とされたから、食前酒に合わせられるおつまみがよさそうだな。
そんなわけで今日は……
●トマトのファルシ(トマトに詰め物をした料理)
材料はこちら!
トマト(ミニトマトだとかわいく仕上がる)
クリームチーズ
ブラックペッパー
(お好みでドライフルーツとかナッツ)
作り方は簡単。
トマトのヘタ部分を切って中身を取り出し、クリームチーズとブラックペッパー、お好みで入れたいものを混ぜ合わせて詰め直すだけ。
一応食前酒に合わせるんで、大きすぎはよくないかな!
詰め物を変えることで副菜なんかにもなるし、見た目がいいのが『視覚』でも美味しい。
個人的にはバジルソースも合わせやすい。
(ジェノベーゼソースは流用できそうだ!)
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