本作の主人公・ナナセは、聡明で前向きで料理が得意な、現代日本で平和に育った12才の女の子。ある日突然、優しい女神様と一緒に異世界に放り出されますが、優しい人々に囲まれて、ゆっくりじっくり成長していきます。
いわゆる転生物において、現代の知識や技術によって異世界に変化をもたらすという筋書は定番中の定番ですが、本作が特異なのは、とりわけ「人間関係」に焦点が当てられているところだと思います。
第1部の特に終盤にかけては、聡明だけどごく普通の少女に過ぎなかったナナセが、様々な登場人物の過去や心の奥底に真摯に向き合い、歪な形をとってしまった人間関係を解きほぐしていく過程が、丁寧に、そして見事に描かれていたと思います。
人と人とを繋ぐナナセの物語は、まだまだ続きそうです。この物語の着地点は、一体どのようなものになるのでしょうか。まだまだ沢山楽しめそうですね。
転生者である女の子の主人公本人が動いて街を発展させる内政物語です。
その辺の街娘だった主人公が少しずつカリスマ企業家の道を進んでいっている感じでしょうか。
派手なタイプの主人公ではありませんが、勇気があり頭の良さが秀でており、街の暮らしをより良くしたいと願っています。自身の信念を貫く姿が格好いいです。
異世界転生物としては、世界観やストーリーが丁寧に描写されておりスローテンポで、各キャラクターが上手く活躍をしている姿も細かく書かれており観やすいと思います。
恋愛・ハーレム・エロな要素は皆無なので硬派寄りな作品でしょう。
主人公は高い魔法適正を獲得していますが、秀でた政治的・商業的な手腕を発揮します。武力行使(バトル)は少なめです。
最初の10話程度までは世界観の説明がほとんどなので、物語が始まるのはそれ以降な感じです。
王道物で読みやすい作品でお薦めさせてもらいます。
一読してみて下さい。