第11話 国王様と、ご対面!

王子にあったあと、荷物検査をし、国王様に会うという予定がたてられた。

国王様に会うのが、少し楽しみだったのは、他の人には秘密だ。


「ところで、アヤネさんは眠くありませんか?」

「?眠くないですよ?どうしてですか?」

「いや、アヤネさんの年頃は、歩き疲れて寝る子が多いんですよ。なので、アヤネさんは大丈夫かなと思いまして。」

「わたしはへーきです!」

「そうですか。では、今から国王様のもとに向かいます。眩しくないように目を瞑っててください。」

「?はーい。」


眩しくなる理由がいまいち分からないまま、目を瞑り、「いいですよ。」の合図で目をあけると、外に出ていた。

そこは、大きな城のようなものが森に囲まれていて、その城の前の門に私たちが立っていた。


「魔法ですか?」

「そんですよ。魔力が多くないと使えないんです。」

「魔力!こんど魔法が使いたいです。」

「では、国王様とのお話の後、魔力量を測ってみましょう。魔法を使うのは明日です。」

「やったー!ノエルさん、大好き!」

「ありがとうございます。」


そう言ってノエルさんは照れていた。

可愛すぎるよ…。

そんなこんなで門を通り抜けたあと、応接室へと通された。

さっきの場所とは比べものにならないくらい広かった。

しばらく待機していると、来て欲しいとノエルさんに呼ばれた。


部屋を出て、右に真っ直ぐ行った先に通された。

部屋の一番奥の椅子には、冠を頭に乗せたイケおじがいた。


「ようこそ、カルバン王国へ。ヴィンセントには会ったと聞いた。私は、アレクシス・カルバンという。よろしくな。」

「わたしは、アヤネといいます。よろしくおねがいします。」


緊張して、声が少し震えてしまった。

でも、レイがそばに寄り添ってくれたため、最後は普通に喋れた。


「そこの狼は…?アヤネの従魔か?」

「はい!従魔の、レイです。」

【俺は、アヤネに名を貰った、レイという。(ドヤァ)】

「おぉ、喋れるのか!すごいな!」

「国王様、危ないのでは?」

「国王様、ここは我々に。」

【俺には全部聞こえているぞ。喋れるのは、俺が聖獣だからだろう。】

「聖獣か!?初めてあったぞ。」

【他の聖獣は隠れているからな。

俺はフェンリルだが、今はアヤネの従魔、レイでもある。俺の主であるアヤネを傷付けようとするなら、俺は国王でも、なんでも、容赦はしないぞ。】

「レイ、カッコイイ!好き!ずっと一緒にいようね!」


私は、国王様の前ということを忘れ、レイに抱きついていた。


「オッホン、続きをいいか?」

「あ、すみません!はい、なんでしょうか!」

「元気な子だなぁ。えっと、私たちは君たちに危害を与えるわけではない。安心してくれ。それで、先程連絡が来て、アヤネをどうするかが決まった。」

「さきほどというのは、私のバッグのことでしょうか…?」

「それだ。話し合った結果、アヤネを、この国で保護することになった!」

「!では、ずっとこの国で過ごせるのでしょうか?」

「あぁ、そうだぞ。誰か、他に一緒にいたいやつでもできたか?」

「はい!ノエルさんと、シアさん!それから、アレックさんと一緒にいたいです!」

「「アヤネさん!僕達も、一緒にいたいですよ!」」

「え、俺は!?」


いつの間にか、ヴィンセント王子とシアさんが部屋にいた。


「あ、ヴィンセント王子!王子も、一緒がいいです!」

「俺は、忘れられてたのか…。」

「ハハハハハ!ヴィンセント、これからお前の兄たちも来る。もっと忘れられやすくなるな。」

「そんなぁ…。」

「そ、そんなことはありません。ちゃんと覚えてましたよ!…ヴィンセント王子のお兄さん、いつ来るのですか?」

「気になるか!そうだなぁ、今頃、ここの門を通ったと思うぞ。もうすぐで部屋に来る。」

「本当ですか!では、待ってる間、ノエルさんとシアさんを触っててもいいですか?」

「ああ、いいぞ。可愛がってやれ。」

「やった!」

「アヤネさん、どうぞ、僕を。(ノエル)」

「いや、僕です!(シア)」

と、こんな感じで、ヴィンセント王子のお兄さんを待つ間、モフモフしている私だった。

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