第2話 異世界転生します!

目を開けると、真っ白な部屋にいた。

(ここどこだろ?身体も痛くない

し…。天国なのかな。)


なにもかも白色で、色のない世界に来た感じがした。


私はベッドの上にいた。触ってみると、フカフカしてて気持ちがよく、眠くなってしまった。

なんとか起き上がって周りを確認すると、コップと水がテーブルの上に置いてあった。水を見て、自分が喉が渇いていたことに気がついた。


水を飲んでいると、後ろから声がした。

『起きましか?おはようございます。あなたは私の部下が間違えて死なせてしまったの。だから、ここに魂を連れてきたのよ。覚えてますか?』


正直、言ってることが理解できない。

確かに自分は死んだけど、間違いって…。それに、魂とは…?でも、それ以外に気になることがある。

「えっと…。誰、ですか?」

『あっ、失礼しました。自己紹介がまだでしたね。私は水の神、ミハイルと申します。あなたは、藤本綾音さんで、間違いないですか?』

「あ、はい。そうですけど…。え、神さま…?」

『はい!私は人のこの中で言う神ですよ。先程話したとおり、私の部下が間違えてあなたの命を奪ってしまったんです。そこで、私が魂をここへ導いて来たのですよ。なので、その身体は見た目はそっくりですが、本物ではありません。』


(確かに痛くないな。)

身体中を見ても傷がなかった。


「じゃあ、身体が痛くなくて、傷一つないと言うのは身体が違うから?」

『そういうことです。本当はそのままの方が魂も落ち着きますが、綾音さんの身体は頭と足が特に酷く、治せるようなものではなかったんですよ。なので、その身体は綾音さんのではありません。』


少し複雑な気持ちになった。


「そうですか…。それで、私をここへ連れてきたのは用があるからですよね?」

『はい。理解が早くて助かります。綾音さんをここへ連れて来たのは、転生してもらうためです。』

「転生って…、あの、異世界転生的なやつですか?」

『はい、まさにその、異世界転生と言うやつですね。そこで、また新たな人生を送って欲しいのです。願いがあれば聞きますよ。』

「それは、なんでもいいのですか?」


私は少し強調して言った。どうしても叶えたいことがあったからだ。


『はい、なんでもいいですよ。こちら側が全て悪いので、なんでも叶えます。何かあるのですか?』

「はい、あります!モフモフ!!」


私は、ただ簡潔に。そう、簡潔に言っただけだ。


『も、モフモフ…ですか?具体的にいうと?』

「獣人さんのいる世界に行きたいです!あと、喋る猫や狼と仲良くなりたいです!聖獣とも仲良くしてみたい……ハッ」


つい、モフモフしたさにたくさん要望を言ってしまったが、これはいいのだろうか?でも、どれも譲れない…。

となると、やっぱり全て叶えて欲しい。

一人でぅ〜っと悩んでいたら、笑われた。私は真剣なのに!


『分かりました。獣人のいる世界でさね。他になにかないですか?』

「…え?いいんですか?全部?」


内心びっくりだった。他にもあったので、嬉しかった。


「では、もうひとつだけ…。魔法…使ってみたいです…。」


異世界だからあるんだろうけど、一応確認ね、うん。


『分かりました。では、追加でインベントリの限界なしと、時空空間、それから、全ての属性が使えて、どれも低ランクから高ランク使えるってのはどうでしょうか?特級魔法も使えますよ。あと、困った時ようにお金と食料、服と簡単な調理器具、武器と言ったところでしょうか。もうひとつ言えば、私、水の神がいるように、他にも神がいるんです。私はもちろんしましたが、他の神たちも、先程綾音さんに加護をしていました。これから行く世界には精霊もいて、精霊と契約するにはその世界に行く必要があるので今は出来ませんが、もし精霊と会った時に契約したいと言えばしてくれますよ。』


一気に追加されて追いつけない頭で考えてから、他の神からの加護とか、いつの間に?と思ったが、それよりも特級魔法が気になったので、それでいいですよと頭を縦にブンブンッと勢いよくふっていた。


「神は神ですね、ほんとに。ミハイル様、ありがとうございます。早くモフモフしたいです。」

『落ち着いてくださいよ、綾音さん。そこの扉を進めば森に出るので。』


いつの間にか、扉が壁についていた。


「行ってきます!」

『はい、気をつけて。何かありましたら、教会に行ってくだい。頭の中で問いかければ私が行くので。』

「分かりました。では!」


元気よく返事した私は、扉を押して吸い込まれるように進んでいった。


とてもくらいが、足元だけに白い道ができている。少し歩いていると、眩しくなってきた。進む足をとめずに顔を隠して歩いていると、視界がぼやけてきた。

そこで私の意識はプツンときれた。

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