登場人物を書き分ける

 ◉Point───────────────────


 登場人物には、性別・年齢・性格などの「違い」があります。『女性に見えない』『社会経験のある四十代なのに学生みたい』と、現実感のなさから読者が冷めてしまわないよう、書き分けに気配りが求められますね。


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 あなたは男性・女性どちらですか? 年齢はいくつでしょう? 性格は──と、登場人物を描くとき、求められるものは実にたくさんあります。特に性差や年月を経た思考、社会的地位の違いを書き分けるのはひと苦労です。


 例

・「危ないからやめるんだ」と、普段は物腰の柔らかい彼女が叫んだ。

・「今からそっちに行きますわ」と女王が言うと、その場にいる皆がかしずいた。


上の例のように、『口調や思考が男性のままで、女性に見えない』であったり、『王族が言葉づかいを学んでいないの?』であったり、人物像がぼんやりする場面があります。


・「危ないからやめて」と、普段は物腰の柔らかい彼女が叫んだ。

・「今からそちらに参りますわ」と女王が言うと、その場にいる皆がかしずいた。


 わたしはこのとき、参考資料をさがして「身についた」と実感するまで勉強する、もしくは「今の力量では描ききれない」と人物設定を見直す、などしています。登場人物の存在そのものに説得力がないと、どうしても感情移入できず、物語を楽しめませんので……。



 このひとさじは、いかがでしたか?

 今回は自戒とも言える内容でしたが、もしお役に立てたようなら、とてもうれしく思います。

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