サンプルシナリオ「このエロトラップダンジョンから脱出を!」

「このダンジョンにはエロトラップダンジョンがあるらしい」


馬鹿馬鹿しい。いくら秋葉原のダンジョンとは言えそんなものがあるはずが。


笑い飛ばして酒を煽った打ち上げから数日。


こんなことになるなんて、夢にも思わなかったのです。


この素晴らしい世界に祝福を!TRPG

この世知辛い現代にダンジョンを!シチュエーションシナリオ

このエロトラップダンジョンから脱出を!


■シナリオレギュレーション

 初期作成キャラクター3~5人を想定しています。チートに関してはGMが決めてください。冒険者たちは東京秋葉原が最寄りのダンジョン、通称「アキバダンジョン」を主な活動地域にしていることにしてください。

 あとこのシナリオは全年齢向けです。

 タイトルはこんなですが、別に性的描写はないです。

■導入

【エロトラップダンジョンの噂】

 ある日の冒険の直後、パーティの全員で反省会兼飲み会をしている状況から始まります。店の種類は何でも構いませんが「他の冒険者パーティが別の席で飲み会をしている店」でお願いします。

 今日の冒険がどんなだったか、思いつかないなら以下の表に従ってください。ちなみに「今日の冒険」はシナリオの内容と関係ないので好きに話を盛っていいです。内容でゲーム的に得することも損することもないです。


今日あった冒険の内容決定表1D6

1:全員2D6を振る。一番出目が高かったPCが低かったPCのピンチを助けた。

2:2D6千万円相当の石像を手に入れたが、モンスターから逃げる際に失った。

3:たくさん素材を拾ったが、ポーション代と相殺してトントンだった。

4:悪い冒険者に襲われたが、通りがかりのハゲマント怪人に助けられた。

5:金髪縦ロールの女性冒険者が腕力でモンスターを虐殺していた。

6:ダンジョンの中なのにどこからともなく踏切の音が聞こえてきた。


 一通り今日の冒険のことをロールプレイで語り合った後、隣の席の別のパーティから声が聞こえてきます。

「うっそだろお前、そんな」

「俺も無いとは思うけどさあ。でも最近アキバダンジョンで行方不明増えてるらしいし」

「だからってエロトラップダンジョンはねえだろ」

「薄い本じゃあるまいに」

「でもあったら見てみたくねえか?」

「入りたくはない」

「仕掛ける方ならあり」

 そんな馬鹿話でした。

 冒険者がスマホで話の調べると、SNSなどでそんな噂が流れているのがわかります。それ以上の事は分かりません。以上でこの日は終わります。次の【負けイベント】のシーンに移って下さい。


【負けイベント】

 冒険者のみんながアキバダンジョンのギルドで待ち合わせをして、全員集まったところから話は始まります。アキバダンジョンがどんなところかはシナリオで決めないので、プレイヤーにどんな所がいいかと聞いてください。思いつかないようなら、文字化けしたしたアニメポスターが沢山貼られた地下鉄の通路みたいな場所とします。入る理由は素材狩りです。


 さて、ここでGMは「負けイベントで全員気絶してもらうけど、負け方に希望ある?」と聞いてください。世の中には絶対負けたくないマンが一定の割合でいますが、最初からぶっちゃければかなり納得してもらえます。

 特に希望が無いようなら「高そうな武器持ったグレムリンを追いかけたら、落とし穴に落とされた」にします。

 ドラマチックかつ負けたくないマンの希望に応えるなら「負けたくないマンのPCは運命に導かれた勇者なので今のうちに魔王が殺しに来たが、PCの師匠が割って入り自爆魔法で魔王と相打ち。冒険者達は爆発の余波で吹き飛ばされ気を失った」とでもしてください。魔王と師匠の扱いに関してはGMに一任します。

 冒険者が全員気絶したら【変身】のシーンに行きます。


【変身】

 冒険者達は床の冷たさで目を覚まします。周囲は真っ暗でじめじめした生暖かい空気です。床は滑らかな岩肌で濡れています。

 冒険者達が何らかの方法で明かりを確保すると、冒険者達は自分の達が美少女に変身していることに気がつきます。装備はデザインはそのまま体にフィットする形に変わってます。元から美少女の場合は変化ありません。データ的な変更は何もありません。

 周囲は鍾乳洞のようですが、岩肌は鮮やかなピンク色で光のあたりかたしだいで蠢いているような印象を受けます。移動できそうな方向は一つしかありません。

 冒険者達が移動を始めたら探索に移ります。【剣さえあればお前など】のシーンに移ってください。


■探索

【剣さえあればお前など】

 冒険者たちがダンジョンを進んでいくと、前方からぐぎゃぎゃとゴブリンの声が聞こえてきます。冒険者たちの明かりでこちらに気が付いて近づいてきます。ゴブリンの姿が見えてきますが、普通のゴブリンとはちょっと姿が違います。全員長さ20cmほどのコテカ(東南アジア先住民の民族衣装の男性用下着)を付けています。冒険者たちを見ていやらしい笑顔を浮かべて襲い掛かってきます。

 戦闘になります。敵はゴブリン(ルールブック280。ただしドロップ品に「コテカ 1KE」が追加される)がPCと同じ数体。冒険者達との距離は3D6m離れています。

 戦闘終了後、冒険者達はゴブリン達がやってきた方向に行くことができます。進んでいくと、鍾乳洞は途中から石造りの窓のない通路に変わります。石材の材質は鍾乳洞のものと同じなのか、何となく生っぽいピンク色です。【卑劣な罠が牙をむく】に移ってください。


【卑劣な罠が牙をむく】

 冒険者たちが石造りのダンジョンを探索し2D6部屋ほど探索しましたが、特にめぼしいものはありませんでした。石造りの机、椅子、棚、こけし、などはありましたがどれも特に役に立ちそうにはありませんでした。

 ここで全員、筋力か精神力のどちらか高い方で判定を行ってください。達成値の一番低い冒険者(同じ値がいたら、その人たちだけで振りなおしてください)は疲れからか床に座り込んでしまいます。

 すると座り込んだ冒険者のお尻と足が魔法で床に固定されてしまいます。そして床から回転する円盤が現れ、徐々に冒険者の股間に向かっていきます。円盤の縁には細かい刃が並んでおり、鋸の様です。ていうか丸鋸そのものです。この丸鋸は無敵なのでいかなる攻撃でも破壊できません。逃れる術は冒険者を固定する魔法を解除することのみです。

 解除の判定はラウンド進行で行います。メジャーアクションでトラップ解除判定か魔法判定を行い、達成値の10分の1(端数切捨て)だけ「解除ポイント」を得ます。ただし、判定の際のダイス目に1の出目が混じっていた場合、その個数分だけ解除ポイントは減ります。クリティカルの場合、6の出目の個数分だけ解除ポイントが増えます。解除ポイントを全員で累積していって、冒険者の人数×2ポイント貯めれば解除に成功します。

 丸鋸は2ラウンド目のクリンナッププロセスに股間に届き、対象となる冒険者は判定の余地なく即死します。股間から骨盤を丸鋸で割られて生きてる人間はいませんよね?そういうことです。対象となる冒険者が祝福を1点支払えば、期限が1ラウンド延長します。

 丸鋸のトラップは5レベルのトラップとして経験点計算します。

 トラップの処理が終わったら【体温が上昇する胞子】に移ってください。


【体温が上昇する胞子】

 じめじめした石造りの空間を抜けるとそこは謎の菌糸類がびっしりと生えた洞窟になっています。床や壁を原色で斑色に染めています。足元の感触はなんかふかふかします。ここで先頭を進んでいる冒険者は(決めていなかった場合はこのタイミングで決めてください)トラップとエンゲージします。トラップの内容は以下になります。


体温が上昇する胞子を出すキノコ

種別:トラップ_構造:物理_レベル:4_条件:トリガー型_探知値:14_解除値:10_対象:範囲_射程:至近

効果:踏むと体温が上昇する毒の胞子をばらまくキノコです。対象は難易度13の【幸運】判定を行います。失敗した場合[2D6+10]点の魔法ダメージを受けたうえで[バッドステータス:毒(強度1)]になります。


 さらにトラップの発動如何に関わらず、周囲から動くキノコが現れて攻撃を仕掛けてきます。名前は「飛べるキノコ」ですが、データはルールブック280のレッサーキャベツを使用します。ドロップ品だけ「くえるキノコ」「気持いいキノコ」に名前を変えてください。数は3体で初期状態で1D6m離れています。本能で弱点を見抜き、防護点の低い冒険者を優先的に狙います。

 戦闘終了後、ダンジョンを進むのであれば【触手の王】に進んでください。


■クライマックス

【触手の王】

 冒険者たちがダンジョンを進むと、やがて大きな空間に出ます。内壁は動物の内臓を思わせる肉質になって蠢いています。

 空間には膝までの謎の粘液が貯まっています。冒険者たちが警戒しながら進むと突如水面が盛り上がり、其処から肥満した中年男性の上半身が現れ、続けて大量ののたうつ触手で構成された本体が続きます。本体の大きさは高さ10mほどあります。

 そびえ立つ塔のように冒険者の行く手を阻むその触手の王は、「ヒーヒヒヒ!触手まみれにしてやるぅう!!!」と高笑いすると襲い掛かってきます。日本語をしゃべるようですが、冒険者の言葉は聞こえていないようです。主にエロトラップダンジョン関するこだわりしか喋りません。

 戦闘になります。敵は触手の王1体ですが、データ的には1エンゲージのジャイアントトード[冒険者の人数×2]体です。ただし、1回の移動で全てのジャイアントトードが一緒に動くという能力を持ちます。中年男性の頭部は独自のデータを持たず、触手の王を倒せば倒した扱いとします。

 触手の王を倒すと、洞窟が鳴動し崩れていきます。壁面や床にひびが入り、崩落した瓦礫にまきこまれて冒険者たちは気を失います。ドロップ品をはぐ暇はありません。【日常への帰還】へ進んでください。

 触手の王に負けた場合、冒険者たちはダンジョンで行方不明ということになります。ダンジョンの中でどうなっているかはそれぞれの心の中に答えがあります。


■エンディングフェイズ

【日常への帰還】

 冒険者たちが意識を取り戻すと、魔力結晶の山の上で寝ていました。美少女に変身した体は元に戻っていましたが、怪我や消費したアイテムは戻りません。そしてすぐ近くに肥満した全裸中年男性が気絶しています。命に別状はなさそうですが、とりあえずこの場所で意識を取り戻すことはありません。

 魔力結晶はかき集めると[5D6]万円ほどで売れそうです。このダイスロールには祝福を使用できます。全員で消費していいです。

 全裸中年男性を担いでもどると、彼はギルドの方で保護されます。

 後日わかる事ですが、彼はダンジョンの外で行方不明扱いになっていた人でなぜあそこで見つかったのか原因不明だそうです。ただ、救出のお礼として一人にあたり10万円が贈られます。

 以上でシナリオは終了です。


■アフタープレイ

 経験値算出です。


●クエストに成功した

 触手の王を倒した: 5点

 全裸中年男性を助けた:5点


●エネミー合計

 ゴブリン 冒険者の人数×2レベル

 飛べるキノコ 3レベル

 触手の王 冒険者の人数×4レベル


●トラップ合計

 9レベル

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