第20話 中学生編……後半 まだ清いよ。

 中学2年生も同じクラスだった。

 ついでに言うと山本は別のクラスだったが、真秋とは野球部で一緒なので付き合いは減っても友人の一人である事には変わりがなかった。



 「そういえばバレンタインの時何人かにチョコ貰ってなかった?」


 私が訪ねると真秋は罰が悪そうに答える。


 「貰いはしたけど恋愛的なものは何もないよ。お返しだって貰ったから返さないと失礼だからしただけだし。」


 本当にそうだろうか。隠れてこっそり見ていたけど、チョコを渡した女子は顔真っ赤だった。

 少なくとも女子側は本気だったのではないだろうか。

 

 「好きですとか言われて渡されたわけでもないし。同じ部活の仲間だから義理以上本命未満てやつじゃないかな。」


 鈍感系主人公か。でもそのおかげで余計な心配をしなくて済んだわけだけれど。


 同じお菓子研究部にいたのだから見えて当たり前なんだけど。


 

 2年になってクラスが変わっても1年生の時と大きく変わる事はなかった。

 後輩が出来て初々しいなーとか、制服に着られちゃってるなーとか思うくらいで。


 私達も1年で少しは成長したのか、制服に着られちゃってる感はなくなっていた。

 胸の部分は全然成長していないけれど。


 クラスの何人かが下着の話をするたびに疎外感を受ける。

 いや、小さいのは他にもたくさんいるんだけど。


 学級委員長なんて眼鏡っ娘なのに大きいとか反則でしょ。

 そういや真秋が大きい方か小さい方かどっちが好みかは聞いたことがなかった。

 

 男子同士ならそういう話をしたりしないものかな。

 えっちな本の話とかグラビアの話とか。

 14歳ならばそろそろそういった話が出ていても不思議はないはず。


 マンガ・アニメ好き半分、芸能人・グラビア好き半分じゃないのだろうか。


 

 夏休みには地元の花火大会に真秋と悠子の3人で出かけた。

 悠子も同級生達と行こうと悩んだけど、小学校低学年だけで行くのは色々危険だと判断されたからだ。

 学校からも親か中学生以上の兄弟となら問題ないと言われているらしい。


 確かにたまに女児を狙った犯罪未遂があり、スマホの通知には都度連絡が入る。

 夏祭りだと浴衣も多く、また金銭を持っているために危険は増加する。


 中学生だって被害を受ける対象になるだろうけれど、小学生よりは対処が出来ると学校側の苦肉の判断なのだろう。


 私も悠子も浴衣を着て祭りに参加した。

 真秋も浴衣を着ていた。野球をやって少し筋肉がついているせいかかっこよく見えた。


 「二人とも可愛いね。」と真秋は言ってくれた。

 それだけで嬉しくて真っ赤になる自分が理解できた。


 真秋の袖をすっと摘まんで祭りを回ったけど、悠子ははぐれちゃいけないという事でがっつり真秋の手を握っていた。

 私が悠子の手を握っていればこうはならなかっただろうなと思うと共に、やはりチクっとするものを感じた。


 浴衣を着た人に対して浴衣が似合ってるねというのは、微妙な言葉遣いである。

 一般的に浴衣や着物が似合う時に使う恰幅が良い……というのは、腹や肩の幅が広く、端的に言えば腹が出ている事を指す。

  

 帯に乗った腹肉が素敵な男性もいるけれど。

 

 だからその浴衣可愛いはアリだとは思うけれど、知らずに恰幅が良いとは使わない方が良いのである。

 浴衣が似合う……は恐らく良い意味で言ってると判断出来るけど。


 それでも一緒に回る屋台も、花火も隣に真秋がいる事で何倍も楽しかったし充実もしていた。

 最初に感じたチクっとしたものも既にない。

 途中から私も袖ではなく手を握ったからだ。


 躓いて転びそうになった時に、身体で止めて貰えた事も嬉しかった。

 胸のドキドキを聞かれてしまったのではないかとヒヤヒヤもした。


 

 林間学校も場所こそ違えど、小学生の時とあまり変わらなかった。

 少し違うのは自分達でカレーを作ったりしたとかの行事が間に入るくらい。

 ここでも同じ班になったので、真秋との共同作業として想い出にもなる。

 お互いの手料理を食べあったという記念にもなる。


 他の班の仲間の事はモブとしてカウントしない。


 小学生の林間学校のように足を痛めたりとかもなかったのでおぶって貰う事もなかった。


 普通に楽しい林間学校だった。

 

 

 私と真秋の関係は変わらない。

 幼馴染以上恋人未満。


 マンガなんかでは友達以上恋人未満というのはよく見かけるけれど。

 正直はっきりとした関係がない以上不安は付きまとう。

 小学生の頃にはなかった不安が、中学生となった今は付きまとう。


 それを意識したのはやはり中1のバレンタインだろう。

 なんだかんだと数人から貰っている真秋はそこそこ気にされてる存在だと思う。

 私がいなければきっともっとガンガン来られているのではないかと思う。


 いつも隣にいる可愛い幼馴染。

 これがバリケードとなって最終的な防衛ラインとして働いている。


 それでも私達は付き合っているわけではない。

 いつか本気で恋をした女子が真秋に告白しないとも限らない。


 ラノベであるような勘違い幼馴染を続けているといつか誰かに取られてしまう。


 そう考えていたけれど、2年のバレンタインは杞憂に終わった。

 昨年のように真秋はチョコを貰ってはいたけれど、あからさまに赤みを帯びた子はいなかった。


 もしかすると後ろにいる私の更に後ろではスタンドかペルソナでも見えていたのだろうか。


 私はピンク色を主体に中にはチョコをふんだんに使った乙女なケーキを作った。

 真秋がチョコケーキが好きなのを知っている。今年はそこを利用した。


 甘味と苦みをジョイントさせた乙女チョコケーキはどう見ても本命ちょこと変わりがない。

 真秋は記念に写真を撮ってから食べてくれた。

 もちろん部活で作るものだからミニではあるのだけれど。



 ホワイトデーでは炊飯器を使ったブラウニーをお返しに作ってくれた。


 装飾に苺や桃を使って豪華にしてくれた。

 並べ方がハートマークになっていたので、これはそういう事なのかな?と思ったけれど直接言われなければ伝わらない。

 おれは私にも言える事だけれどじれったい。

 中学生の恋愛ってこうもまどろっこしいのだろうか。


 マンガや薄い本では中高生で既に大人の階段を昇ってる事なんてよくあることなのに。


 私は父の部屋で見つけた薄い本をたまに見ている。

 これは多分男子がえっちな本を読むのと同じ感覚だと思う。

 真秋は私が薄い本を読んでる事を知らない。

 真秋がHな本を読んだことがあるかは知らないけど。


 私は父の部屋で見つけた薄い本みたいな事に興味がある。

 高校生になったら……告白して上手くいって、その先に行けたなら。


 きっとそれも叶う。


 あと1年。

 それまではこの父秘蔵の薄い本。

 幼馴染はで始まる本が4冊、これはこっそり大切に保管しよう。


 私のえっちな知識は父の薄い本が要因だと思ってる。

 これらの本を読むとお股がじゅんっとする。

 ぱんつを確認すると液体が付着している。

 ぱんつとお股の間で透明の架け橋が出来上がる。


 もし真秋が告白を受けてくれて、えっちな事に興味を持ってもらえるなら……

 この本に在る事はやってもらいたい。


 周りの子にも聞いてみた。

 内容はともかく、好きな人とキス以上の事をしたいかどうか。


 全員ではなかったけど、興味がある子の方が多かった。

 だから私は変じゃない。

 

 流石に中学生でHする気にはならない。

 生理は来てるけどね……

 だからあと1年、真秋に変な虫が寄り付かないようにしなければ。

 

――――――――――――――――――――――


 後書きです。PC不調ではありますが、直接打ち込むのは慣れません。

 自分で復旧試みましたがうまくいかず。

 水曜から夜仕事なので、午前中にケーズデンキに持って行って聞いてみますかね。

 サポートあるし。まだ2ヶ月でこれはきつい。


 そのため暫く更新止まる恐れがあります。

 せっかくPVも伸びてきているのに。

 NTRの時はあまり気にしてなかったのでわかりませんが、NTRより伸びが良いのかな。

 皆様NTRやざまぁお好きなようですしおすし。

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