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「う…が…」



オレの頭突きを喰らって、ファニが大きく頭を反らし、ふらつく。どーだ?ちったあ効いたか!?



「まだまだ…終わりじゃねぇぞ!!」


「くっ!…」



オレは大剣を振り上げる!

ファニも直ぐに態勢を立て直し、構える!…



「……えい」

「うぐっ!!?」


オレの振り上げた大剣を警戒していたファニの腹部に前蹴りを放つ!…いや、卑怯じゃないよ?作戦だよ?



「隙あり!!」



態勢を崩したファニに大剣を振り下ろし追撃!!



「ぐあぁぁ!!…」


「おぉっと!…逃がさねぇぞ」



オレは再びファニの胸倉を掴み、逃げられないように確保。また距離を取られても面倒だからな。



「もうテメェはオレの間合いから出さねぇ」


「…バカが…【連撃】!」



ファニがオレに掴まれたまま、短剣での連続攻撃を放つ!



「…掴めば勝てるとでも?……」


「……効かねぇな」


「なに!?」



天才のオレは【鋼人化スチールボディ】を発動していた!

これで30秒の間、オレに一切の物理攻撃は効かない!!

さっきは好き放題やってくれたからな、今度はこっちが一方的に攻めさせてもらうぜ!!



「お仕置きタイムだ!こんにゃろぉう!!」


「ぐっ!!」



先ずは膝蹴り、ファニの身体がくの字に折れたところで、胸倉を掴んでいた左手でアッパーカット!


…休ませねぇぞ


そのまま体を捻り廻し蹴り!!ファニの身体が宙を舞う!



「ラストだ…【炎剣】」



大剣に炎を纏わせ、落下してくる敵に合わせて斬り上げる!!



「ぐあああぁぁぁあ!!!」



ファニは炎に包まれながら吹き飛んだ!



「どーだ?効いたか馬鹿野郎……反省しなちゃい」



ここで【鋼人化スチールボディ】の効果が切れる。でも、今ので結構良いダメージ入ったんじゃねぇか?…


ファニのHPはまだ残っているが、まだ倒れたまま動かないでいる。よし…今の内に…



ドゴオオオン――――



「…な!?なんだあぁあ!?」



突如、轟音と共に爆風が襲ってきた!!






「『【異能転化オーバーライト】」』



アドが俺の身体を使って戦闘に入る。俺の身体の感覚が無くなり、視界と思考だけが働いているような状態。まるで他人がプレイしているゲームを横で見ているような感覚だな。…さて、アドは上手くやるかな。



「オマエ……コロス」



ゴルトがじりじりと距離を詰めてくる。…一応ちゃんと言葉話せるんだな、コイツ。



「『スキルを展開…作戦を開始」』


「ガアアアァァァ!!」



ゴルトの突進攻撃!

アドは上級魔導士にスタイルチェンジして迎え撃つ!



「『【ライトニング】」』


「グッ!?…」



猛進するゴルトに対し、雷属性の魔法を放つアド。

魔法の攻撃を受け、一瞬硬直したゴルトの攻撃をひらりと躱す!



「ウ…グアアァァァアア!」



相変わらず、こちらの攻撃を意にも介さず突っ込んでくるゴルト!



「『【ファイヤーボール】」』



アドは向かってくるゴルトの顔面に向け、火球を放つ!

だが、やはりゴルトのHPは大して削ることができない…が



「『【フロストバレット】」』



…おぉ、やるなぁアド。


ゴルトの足元が氷漬けに!

なるほど、火球を目晦ましにして、足元を【フロストバレット】で狙ったのか。



「『【トルネード】」』



動きを封じたゴルトに更なる魔法で追撃!

巨大な竜巻が発生し、ゴルトを飲み込む!!



「ググッ…」


「『【フレイムスロウアー】」』


「!!」



更に、アドは炎の魔法を発動。


掌から炎を竜巻に向けて放出!

その炎を竜巻が巻き上げ…


おぉ!マジでやるなぁ!!アド!



「グッウウゥゥゥウウ…!!」



竜巻は巻き上がる炎となってゴルトを襲う!!

…2つのスキルを併せて、別の効果を産み出したのか!…これは、使える!



「『作戦終了…敵個体の撃破まで、このままスキルを継続行使します」』



上出来だ、アド…だけど気を抜くな、まだ敵はスキルを使っていな……



「【大戦撃フル・スイング】…」


「『!!!」』



突如、轟音と共に凄まじい衝撃波が発生!

アドが維持していた炎の竜巻は搔き消され、爆風が襲ってきた!!



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