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「…ルルア、聞いて」
「……」
俯き、口を閉ざしたままのルルアにリリアが語りかける。
「…村にいてもアナタは幸せになれない。ここから逃げなさい、ルルア」
「……」
「…冒険者様、どうかルルアを連れていって下さい」
リリアはノノに深々と頭を下げる。
「…リリアさんは……どうするの?」
「私は…村に残ります。私を連れていては逃げきれないでしょう。ですが、ルルアと冒険者様だけなら…私が時間を稼ぎます。どうか、ルルアを宜しくお願いします!」
ノノは頭を下げるリリアを見つめる。そして、静かに口を開く…
「たぶん…ウチのボスは…そんな作戦立ててない」
「ボス?…」
「うん…ノノ達のギルドのマスター…ナギのこと」
「ナギ…あの子が冒険者様のリーダーなのですね。ですが、シェンフールは大きな組織です!冒険者様でも…」
「ナギとマイルが戦ってる…あの2人なら……!!」
突然、ルルアが走り出す。
「ルルア!?」
「ルルアたん!?…」
慌ててノノとリリアも後を追う。だが、ルルアはクルド村へ向けて脇目も振らずに走って行く…
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「甘いわ!!そんな攻撃がこのマイル様に通用するかぁ!!」
オレは右後方から飛んできたナイフを大剣で叩き落す。この野郎、相変わらず陰湿な攻撃繰り返しやがって…フロストレーズン溜まるんだって!!
「でも…」
段々テメーのスピードにも慣れてきたぞ…見てろよ、そのすまし顔引っ叩いてやる。
「うらっ!!」
オレは大剣を振り上げ、接近!
ファニはすぐさま回避行動!
「…なんてな」
オレは大剣を振り下ろす…と見せかけたフェイントを入れ、体を捻り無理矢理に斬撃の軌道を急変更!ファニの逃げた先へ薙ぎ払い攻撃を仕掛ける!!
「なっ!…」
ファニはギリギリでバックステップして大剣を躱す!…あー!惜しかった!!でも…
「やーっとその無表情が崩れたな、スカシ野郎」
「………」
「いくぞ…こっからはスーパーマイル様タイムだ。ビシバシ追い詰めるから覚悟しろよ?」
オレは大剣を構え直し、駆ける。
「おらあっ!!」
「……っ!」
スピードじゃ負けてる…単調な攻撃になるな、フェイントや視線でのブラフを織り交ぜつつ…相手の予想外の角度から、攻撃!!
オレは頭の中で、自分に言い聞かせながらファニを追い立てる!
「…くっ!」
へへ、余裕が無くなってきたな?…そろそろ……
「喰らいやがれ!!」
「なっ!!」
オレは右足で足払いを仕掛け、態勢を崩したファニに大剣を振り下ろす!!
「【影渡】!」
「っ!!」
一瞬にしてファニの姿が消え、オレの背後に移動する!!
「…死ね」
ファニが短剣で斬り付ける!!
「…!!?」
「…つっかまーえた」
オレはニヤリと笑う。ファニの斬撃を受けながらも、オレは左手でファニの胸倉を掴んでいた。
「な!?」
「お前のその瞬間移動スキル…敵の背後にしか移動できないんだろ」
「!!」
「出てくる場所が分かってれば、こうやって捕まえることも出来んだよタコがぁぁああ!!」
「ぐあっ!!」
オレはしっかりと胸倉を掴んだまま、ファニに頭突きを喰らわせた!!
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