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神、という存在が居るのなら、それはどのような姿をしているのか…


ある者は、人の姿かたちをしていると云う…


またある者は、龍の姿をしていると云う…


またある者は、鏡の姿をしていると云う…





神、という存在が居るのならば、それは何を成す者なのか…


ある者は、人々の願いを聞き届ける存在だと云う…


またある者は、天候を操り、恵みの雨をもたらす者だと云う…


またある者は、邪を払い、裁きを与える者だと云う…





神は不滅、永遠の命を約束された者だと云う…


神は、全能だと云う…





「フフ…」




それは全て




数多の姿を持ち、全能の力を振るう…神





それは全て、能力ちから”に起因するものである…




神と呼ばれる者が持つ、そのたった1つの能力…それは……



「早く…早く私の下へ…待っていますよ、ナギ




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「それじゃあいよいよ、クルド村に向かうぞ!」


「「おー!」」



宿屋で一夜を明かし、リシングの街を立つ俺達。今日半日かけて、ルルアの故郷であるクルド村へと向かう。


リシングの街から東へ。途中にある森を抜ければ、クルド村だ。リシングの街も綺麗で良い所だったな…また今度ゆっくり立ち寄ってみることにしよう。




「やっとお母さんに会えるね…ルルアたん…」


「うん!!」


「ここから先は魔物もそう多くないらしいけど、最後の最後でポカやらないように、気を引き締めてな」


「ナギ、ノノ、マイル…ありがとう!」


「まだお礼を言うのは早いぞ、ルルア!」



俺達はクルド村へ向けて歩き出す。…この旅の最後の日にして、最も長い一日が始まる。




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その頃


クランツ王国 首都クランツ センターギルド…



「ハリスさん!!」


「ぬわっ!!急に背後で大声を出すなマイネ!……どうした?」



顔面蒼白のマイネを見て、表情を固くするハリス。マイネの表情が、ただ事ではないことを告げている。



「大変です…センターギルドの捜索部隊から連絡が…“シェンフール”を発見したと!」


「そうか!して、部隊派遣の要請か?」


「それが!…とにかくこの報告書を読んでください!」



マイネがハリスに一枚の紙を手渡す。



「………これは!!」


「ハリスさん、こんなことって……」



ハリスは血相を変えて立ち上がる。



「…マイネ、すぐに準備しろ!…ワシも出る!!」


「はい!!」



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