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「くっそ!!…放しやがれ!!」
「マイル!!」
サイクロプスに掴まれ、身動きの取れないマイル。サイクロプスは大きな一つ目でまじまじとマイルを見つめる…。
「マイルを放せ!【
俺は
「………」
「なっ!」
矢は見事サイクロプスの手を直撃するが、意にも介していない様子。痛くも痒くもないってか!?…このままだと、マイルが!
「ナメ…んなぁ!【
マイルがスキルを発動!
よし、30秒間はマイルは物理ダメージを受けない…だが、マイルが身動き取れないままだと…
「え?…」
「は?…」
サイクロプスがマイルを放し、ゴミでも捨てるかのように放り投げる。マイルは地面に落下…だが、これで解放された。
「な、なんだー?」
「グウウゥウ」
「!!」
サイクロプスが俺に目を向ける。どういう…!!
「ガアアアァ!」
サイクロプスの顔の前に魔法陣が出現!
俺の頭上に岩石が出現し、どんどん大きくなってゆく!!…
「嘘だろ…」
山のように大きくなっていく岩石。こんなもん落とされたら…回避も…
「ナギ!逃げて!!【アイスショット】!!!」
「ルルア!?」
ルルアの杖の先から巨大な氷塊が発射!
サイクロプスの顔面を直撃する!!
え?…今のも下級魔法なの?…スゲー威力…
「グアァッ!!」
サイクロプスは膝を着き、魔法が途中解除!
上空に形成されていた岩石が消滅する!
「【
畳みかけるように、ノノがスキルを発動!!
海賊の恰好をした太っちょ猫…コタローが巨大な鉄人形となってサイクロプスに落下!!
サイクロプスはそれを背中で受ける!!
「もう充分だ!!二人共下がれ!!」
「うん!」
「了解!」
ノノとルルアを下がらせる。ありがとう!助かった!!
「マイル!!」
「おう!!」
「…最大火力だ!!【
「了解!!」
俺はマイルに合図を送りながら、中級剣士にスタイルチェンジ…いくぞ!
【鏡花水月】…
「グ…ガアァァア!!」
サイクロプスが背中にのしかかる鉄人形を押しのける!…だが、もう遅い!!
「「【
俺とマイルが並び立ち、同じ構えを取る。俺とマイルの持つ剣からは、炎が溢れるように噴き出している。
「「【
マイルの最高攻撃力を誇るスキル!それを俺も【鏡花水月】でコピーして発動!
【炎舞】の二重攻撃だ!!
「「はああぁぁぁぁああ!!!」」
俺とマイルは片膝を着いているサイクロプスに炎を巻き上げながら突進!
「跳べ!!マイル!!」
「おう!!!」
跳び上がり、サイクロプスの上体に、烈火のような五連撃を叩きこむ!!
「「喰らいやがれぇぇええ!!」」
「ゴアアアァァァアアアァァアア!!!!!」
高火力の攻撃に押され、サイクロプスは倒れた!!
「ハァ…ハァ…やったか?」
「まだ…ハァ……気を抜くな…ハァ」
技の反動で動けない俺とマイル…。
「グウウゥ…」
「「!!!」」
サイクロプスが起き上がる!!
「おいおい…マジかよ」
――――――――――――――
サイクロプス Lv55
HP:6980 / 7850
――――――――――――――
殆どダメージを受けていない!!
これだけやって、1/4も削れないのかよ!!?一応ルルアの魔法で弱点も突いたはずだが…
「ウウゥ…」
サイクロプスが俺を睨む…
「…行け」
「え?…」
「マイル!!ノノ!!ルルアを連れて先に行け!!」
「「「!!?」」」
三人が驚きの表情を見せる。
「何言って…1人じゃ無理だ!!」
「どの道今の俺達じゃ勝てない!!ルルアを連れてリシングの街を目指せ!!俺も後から合流する!」
「ナギ!…でも!…」
「ナギも一緒に逃げようよ!!」
俺もそうしたいんだけどな…アイツを引き付ける役が必要だ。それに…
「どういう訳か…コイツの狙いは俺らしい」
「「!?」」
「大丈夫、ちゃんと逃げ延びて合流する!…行け!!」
「だったらオレも…」
「次はちゃんとルルアを守れよ!マイル!」
「っ!!……ちゃんと戻るんだな?」
マイルが真剣な表情で俺に聞く。
「あぁ…移動補助のスキルもある。大丈夫だ」
「…わかった。行くぞ!ノノ!!」
「……うん!」
「え!?…マイル!ナギ置いてくの!?放してっ!!」
マイルがルルアを担ぎ上げ、踵を返す。遠ざかっていく三人…。逃げる三人には目もくれず、俺を睨むサイクロプス。
「ふー…お前の狙いが俺で良かったよ。これがルルアだったらお手上げだった」
「グウゥゥウ…」
とは言ったものの…どうするかなー。上手く撒ければ良いけど…。
「…【
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