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「ルルアたん…疲れたら言うんだよ?…無茶しないようにね」
「ルルア、大丈夫だよ!」
「えらいなー!ルルアは」
休憩を終え、俺達は再び山道を進みだした。予想外なルルアの活躍ぶりに、余裕が出てきた俺達……いやいや、油断は良くないな。引き締めないと。
「っ!!!……」
「…?……どうした、ルルア?」
不意に立ち止まり、木々が生い茂る森の方を睨むルルア…。
「…ルルア?」
「魔法の……匂い」
「魔法?…っ!!」
突如、森の奥の方が赤く発光。その光はどんどん大きくなり…」
「なんだぁ!?」
「警戒しろ!!」
「ルルアたん!下がって!…」
俺達はルルアを下がらせ、戦闘態勢に…。木々が大きく揺れ…倒れていく!!
「な…んだ?」
「グオオオォォォォオオオオ!!!」
「「「!!?」」」
木々をなぎ倒しながら、そいつは姿を現した!…オーガ?…よりはるかにデカい!!
なんだ!?コイツは…
「ガアアアアァァァアア!!!」
「おいおい……マジかよ…」
ソイツはゆっくりとこちらを向いた。並び立つ木々を悠々と見下ろす巨体…耳まで裂けたような口…顔の真ん中に大きな一つの目…。
――――――――――――――――――
サイクロプス Lv55
HP 7850 / 7850
攻撃:打突 圧迫
魔法:土属性魔法
特殊攻撃:?????
弱点属性:氷 風
――――――――――――――――――
冗談だろ?…こんな奴が出るなんて、ハリスさんにも、カルラさんから貰ったマップ情報にも……
「ウ゛ウウゥゥ…」
サイクロプスは山の様な巨体を揺らし、俺達の方へ近づいてくる。サイクロプスが踏み出すごとに地が揺れ、空気が震える…。
「ひ…
俺の指示に全員飛翔石を取り出し、転移先を唱える…
「「「「ローユ!!」」」」
……え?
「どうなってんだ!?飛翔石が使えないぞ!?」
何がどうなってるんだ!?このままじゃ…くそ!落ち着け!!
「どうする!?ナギ!!?」
「ノノ!ルルアと下がれ!!マイル…いけるか?」
「…やるしかねぇよな!!」
ノノとルルアを下がらせ、サイクロプスと対峙する俺とマイル。あの歩幅だ、逃げようにも逃げ切れないのは目に見えてる…。ルルアに次はない…最悪の場合は…
「通常攻撃は…見ての通りだ。土魔法も使ってくる…あと、特殊攻撃もあるみたいだ…何なのかは分からない。弱点は氷と風…悪いが弱点付けるスキルは殆どない」
「へへ…りょーかい。要するに、強いってことね…」
俺はマイルに【識別】スキルで得た情報を伝える。俺とマイルは剣を抜き、構える。サイクロプスが近づいてくる…
「ビビるなよ?…ナギ」
「お前こそ……いくぞ…」
「おう!…」
俺達はサイクロプスに向けて走り出した!
「ナギ!!マイル!!」
背後からルルアの声…。
「マイル!!」
「おう!!【バトルテンション】!」
先ずはマイルがスキルを発動。俺達の身体を赤いオーラが包み込む。…それじゃ、手始めに……。
「【
「【
俺とマイルは同時にサイクロプスの両足を攻撃!
サイクロプスは少しよろめいた!
「休ませねぇぞ!!【炎剣】!!」
「【
強いのは分かってる!…出し惜しみはしない!!
「「ハアアアァァァァァアア!!!」」
スキルで攻撃力を強化し、再び距離を詰める俺とマイル…
「ガアアァッ!!」
「「!!!」」
サイクロプスが拳を振り下ろす!!速い!!!
「【
「「ノノ!!」」
後方からノノのスキルが発動!
光の糸がサイクロプスの身体に巻き付き、動きを止める!!
「グラアァッ!!」
だがサイクロプスは一瞬で糸を引き千切り、拳を叩きつけてきた!!
「「!!」」
俺とマイルはそれぞれ左右に回避!!ギリギリでサイクロプスの拳を避ける…が
「くっ!!…」
「だあっ!!…」
サイクロプスの巨大な拳が地面を叩き、凄まじい衝撃音と振動が発生。俺とマイルはその衝撃で飛ばされてしまう!
「くっそ…ナギ!!大丈夫か!?」
「あぁ!…一度距離を取れ!」
しかも、その攻撃で土煙が立ち上り、視界が悪い!!
俺とマイルは声を掛け合い、後退する。…ただのパンチ一発でこの威力かよ!?これはモタモタしてられないぞ…
「ナギ!…マイル!…」
土煙の向こうからノノの心配そうな声が聞こえる。
「マイル!!」
「ここだ!!」
俺とマイルは土煙の中、何とか合流。
「一旦体制を立て直すぞ!まずは……マイル!!!」
「!?…なっ!!しまっ…おわああぁぁぁぁああ!!」
マイルがサイクロプスに掴まれた!!
土煙のせいで反応が遅れた!!マズイ!!…
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