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「おはよう!ナギ!マイル!」
「おはよう!ルルア!」
「おはよう」
次の日、宿の部屋から出るとノノとルルアが既に待っていた。皆、気合充分ってわけか…。
「…今日からリラの山道に入り、リシングの街を目指す。遭遇率はそう高くないが、レベル15から20程度のモンスターが出現するらしい。昨日の平原みたいに楽にはいかないから、気を引き締めていくぞ」
「おう!」
「よし、じゃあ朝食取って、準備済ませたら…出発だ!」
「「「おー!!」」」
♦
「ノノ!前方の敵の動きを止めろ!マイル!他の敵を近づけるなよ!」
「「了解っ!!」」
「いけるか?ルルア…」
「うん!!」
ローユの街から南東に延びるリラの山道。並び立つ山岳地帯の
山道に入って二時間程が経過、時折モンスターと遭遇した。鹿や熊、猪などの獣の姿をしたモンスターが多いが、たまにコボルトというずんぐりとした人型のモンスターも出現した。
現在は、そのコボルトの集団と戦闘中だ。レベルは15~18のものが合計4体。ここまで思ったより苦労することなく進んでこれたが、驚くべきは…
「【ファイア】!!」
ルルアが火属性の魔法を放ち、前方のコボルトを撃ち抜く。コボルトは炎に焼かれ、消滅。いやー、ほんと…想像以上にルルアが戦力になっている。
俺達のパーティには純粋な魔法職がいない。一応俺がスタイルチェンジすれば魔法が使えることは使えるが、常に後方から高威力の魔法を狙い撃つ者が一人いることで、結果として俺達の戦闘に安定感が生まれていた。
「ナギ!そっち行ったぞ!!」
「【ライトニング】!」
俺は下級魔導士にスタイルチェンジし、雷の魔法で敵を貫く。最後のコボルトが消滅し、リザルトが表示される。
「おつかれぃ!!ルルアも凄かったな!!」
「ほんと!?ありがとう!マイル」
いや…本当にこの感じなら、案外楽にこの山道を抜けられるかもしれないぞ。ルルアのレベルもいつの間にか18まで上がり、戦闘時の立ち回りも板についてきた。ルルア…本当に冒険者の才能あるな、これは。
「…良いペースだな。少し休憩にしよう」
「そうだな!」
「ルルアたん…果物食べる?…」
「うん!」
俺達は近くにあった岩の上に腰を下ろし、しばしの間休息を取った。この調子なら、今日の間にリラの山道を抜けられるかもしれないな…。
だが、その考えが甘かったことを、俺達はすぐに思い知ることになる。
♦
「ルルアたん…疲れたら言うんだよ?…無茶しないようにね」
「ルルア、大丈夫だよ!」
「えらいなー!ルルアは」
「来たか…」
その4人を木の陰から見つめる一人の男。
「ナギ…レイラ様のお眼鏡に適うか否か…」
男は羊皮紙の“
「……【
「さあ…足掻いてみよ」
男は光を放つ魔法陣を残し、姿を消した。
♦
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