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午後9時…
「明日は昼頃には出発したい。8時にはここを出て、ハリスさんが用があるらいしからセンターギルドに寄って、ついでにアイテムショップで色々と揃えてから出発しよう」
「そだな!長旅になるから、水や食料も必要になるぞ?」
「ノノも…ちょっと中心街で買いたいもの…ある」
「必要なものは、リストアップしといてくれ」
センターギルドで報酬を受け取り、月跳ね兎で宿を取った俺達は明日の出発に向けて、話し合っていた。ルルアは魔法の修行で疲れたのだろう…ベッドで静かに眠っている。
「それにしても、ルルアって本当にスゲーんだな」
「ルルアたんは…天使で…天才」
すやすやと眠るルルアを見ながら、マイルとノノが言う。…確かに驚いた。
ハリスさん曰く、ルルアはもう魔法を習得したらしい。なんでもその辺の駆け出し冒険者より高いレベルで魔法を扱えるんだとか…。実際、それを裏付けるような変化がルルアに起こっていた。
出会った時のルルアはレベル3だった。それが今はレベル16。クエストから帰って、ルルアのステータスを見たときは驚いた…。ハリスさんの話によると、
俺達プレイヤーは戦闘で敵やモンスターを倒した時にのみレベルが上がる。ゲームでよくある、敵を倒して経験値を稼ぐ…というやつだ。
対して
簡単に言うと、全く同じ修行をしたとしても、センスや才能がある
数をこなせば勝手に上昇していく転移者のレベルとは違い、現地人のレベルはかなり現実的だ。…やはり、この世界がただのゲームだとは思えない。現実と仮想が混在しているような…ステータスという数値に支配されながらも、才能やセンスの差といった、アンフェアな理不尽や不条理…数値化されない不規則性を備えた世界…
「おーい…ナギ?だいじょーぶか?」
「あ…悪い、考え込んでた」
「この世界の…こと?」
「そいえば、冴木さんと話してた時、“ニューワールドはドアーズが開発したものではない”…とかなんとか言ってたよな?どういう事だ?」
「…これはまだ想像の域を出ないんだが……」
俺はノノとマイルに、俺の考え…仮説について話をした。
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