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とある場所…
「全プレイヤー、ログアウト完了しました」
巨大なモニターの前に座る女性が言う。
「よし…観測を終了。全員ログアウトしろ」
「「「はっ!!」」」
薄暗い部屋にいる者達は次々に部屋から出て行く。
「
「…わかりました」
♦
殺風景な部屋に10脚程のリクライニングチェアが並んでおり、そこに腰掛け眠っていたスーツ姿の者達が次々に目を覚ます。
「冴木…少しいいか」
「はい」
冴木と呼ばれた男が、リクライニングチェアから起き上がり、声を掛けてきた男と並んで歩く。
「冴木よ…もう10年だ。あちらの時間で50年になる……“我々”は未だ何の成果も挙げられていない」
「…そうでしょうか?私は今まさに動き出していると感じておりますが」
「あの子達か…ずいぶん期待しているようだな」
「はい…彼らなら、メインクエストを導き出し、達成する足掛かりとなってくれるかと」
「…だと良いのだがな。未だにメインクエストの正体さえ掴めずに、残り3年を切った。我々は救えるだろうか…“この世界を”」
「…諦めるには早すぎますよ、東郷さん」
その二人の男は、大きな
宙に浮かぶ、鏡のように輝く、大きな銀色の真球体を見つめていた。
その球体には文字が浮かび上がっており…
――――――――――――――――――――
メインクエストを達成せよ
2y : 274d : 19h : 54m : 07s
――――――――――――――――――――
カウントダウンが…
続いていた。
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