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「なに!?…」
俺の身体が光に包まれ、【下級魔導士】にスタイルチェンジ。
「なんだ?……あ!?ステータスが下級魔導士
になってるだと!?どうなってる!?」
「説明する気はないよ…」
俺は魔法師の手袋が装備された手をガザックに向け…
「【フレアボム】!!」
「なんだと!!?ぐわあぁぁ!」
火属性魔法を発動!!
それはガザックに着弾し炸裂!!
考える時間を、冷静さを取り戻す隙を与えるな!奴がこの状況に困惑してる間に…決めに行く!!
【フレイムスロウアー】!
「ぐおおぉぉおお!!」
俺は掌から炎を噴射!
ガザックは堪らず炎の中から飛び出し、左方向へ退避!逃がすか!!
「【フロストバレット】!!」
「なっ!!?クソったれ!!」
氷の弾丸がガザックの足元に着弾し氷漬けにする!畳みかける!!
「「いけえぇぇ!!ナギぃぃ!!!」」
ノノとマイルの声が俺の背中を押すように届く!!いける!!
「【ファイヤーボ…」
「【
俺が追撃の魔法を放とうとした瞬間。ガザックが何かしらのスキルを発動…あれは!!?
ガザックの正面に光が集まり…現れたのは……
「え?……」
くすんだ灰色の髪、怯えるような暗い瞳、やせ細った小さな体躯、力なく垂れさがっている猫のような耳……
「「「あの子は!!!…」」」
俺達3人の声が重なる。
…そこに現れたのは、紛れもなく、昨晩ガザックが引き連れていた奴隷…獣人族の幼い少女だった。
「なっ!?…」
「ククク…この死闘のフィールドは“プレイヤー侵入不可”の設定だ。このゴミクズはプレイヤーじゃないからなぁ!!」
「きゃっ!…」
「!!?」
ガザックが少女の細い首を掴み、持ち上げる!!
「なんのつもりだ!!」
「コレは俺の所有物!!どうしようと俺の勝手だ!…ククク、さあぁて、お前こそどうする?…お前が魔法を撃てば、このガキが苦しむことになるぞ?」
「あの野郎!!あの子を盾にする気か!!!」
「ヒャヒャヒャアァァァ!!いいぞぉぉぉ!ガザックぅぅぅう!!!」
マイルの怒声と、ブレングスの高笑いが届く…
落ち着け…考えろ。あの子を死なせる訳にはいかない…まずはあの子とガザックを引き離すのが先決…この状況じゃ遠隔攻撃の魔法はまず使えない……くそ!“予定”が完全に狂った!!ガザックにこんな手があったなんて!!!…
「ククク…どうだぁ!!テメェのそのチンケな正義感のせいでテメェは負けるんだよ!!」
ガザックの足を覆っていた氷が砕かれ、ガザックが自由になる!
まずい!…なにか……何か手は!?
『おい凪…考えてるだけじゃ、何も変わんねーぞ?』
!……
俺は大嫌いなアイツの言葉を思い出し、ふっと小さく笑う。
「それも…そうだな………タスク、追加だ」
俺は思考を止める。
「【
俺は下級剣士にスタイルチェンジしつつ、ガザックに突進!
“命”がかかってるんだ、考えてダメなら…動く!!!
「そう来ると思ったぜ!!おらよ!テメェの欲しがってたゴミクズだ!!」
「!!?」
ガザックが獣人族の少女を俺に向かって放り投げる!
俺は急停止し、少女を受け止める!
「これで終わりだ…」
顔を上げると、そこでは既にガザックが斧を振り上げていた…コイツ!!この子ごと……!!
俺は無意識に、少女を抱きかかえたまま反転し、背中を向ける!
「死ね!!ゴミクズどもおおぉぉお!!!」
俺はガザックの攻撃を背中に受け、少女もろとも跳ね飛ばされた……
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