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「あぁ、そうだな…俺の【瞬進斬】のクールタイムは90秒…だがアンタのそのスキルも90秒のクールタイムを要する…」


「…つまり?」


「攻めるなら今ってことだよ!」



目の前のナギとかいうクソガキが剣を振り下ろしてくる。俺はそれをハンマーの柄で弾き、打ち合いに持ち込む。…今からこのガキは、俺、このガザック様に処刑される。



「っ!」



クソガキは俺の攻撃を器用に捌く。大したガキだ…その辺の雑魚とは違うってのは認めてやろう。だがお前はを犯している!この俺が馬鹿だとタカを括り、自分の能力を過信したこの愚か者に、制裁を与えてやる。



「はああぁぁ!!」



クソガキは俺の攻撃をいなしつつ、ジリジリと俺の懐へ潜り込んでくる。…いいぞ、そうだ、もっと近づいてこい!!…バレない程度に手を抜いてやる、さあ、来い!


このクソガキ…確かに頭は回るようだが、俺には勝てねぇよ。お前が犯したミス…それは…



『…【巨人の一撃タイタンショック】。自身の周囲に衝撃波を発生させる範囲攻撃スキル…クールタイムは……90秒…だろ?』



俺はこのガキの発言を思い出し、内心ほくそ笑む。【巨人の一撃タイタンショック】のクールタイムが90秒?……




惜しかったなぁ!俺の【巨人の一撃】のクールタイムは80秒だ!!!


バカがぁ!!!

テメェの脳みそを過信しすぎだゴミクズがぁ!良い体内時計をお持ちのようだが、見積もりが甘いんだよボケ!!そもそもちょっと俺の戦闘を観察したくらいで、知った気でいるんじゃねぇよ!!


ククク…まだだ、まだ笑うのは早い。俺はこのガキに頭脳でも勝つ!!お前の勘違いを利用してやる!!



「はあっ!」


「…う!…く、くそぉ!!」



クソガキが俺の攻撃を弾きつつ、更に踏み込んでくる…


ククク…どうだ?この俺の名演技は?

お前は罠に嵌められているとも気付かずに、踏み込んでくる!


コイツは俺のスキルのクールタイムが90秒だと思っている…。そしてコイツが俺の【巨人の一撃タイタンショック】から逃れるための【瞬進斬しゅんしんぎり】のクールタイムも90秒!!


俺の【巨人の一撃タイタンショック】が再発動可能になるギリギリまで攻めて、【瞬進斬】で逃げるつもりだろうが…



残念だったなぁ!!!

俺のスキルの方が、お前のスキルが発動可能になる時間より10秒早い!!

やっぱりEランクのゴミジョブはスキルもゴミだなぁ!!!



焦るな、もう少し、もう少しだ…俺の【巨人の一撃タイタンショック】のクールタイムが消化する絶妙なタイミングで、コイツを俺の懐へ潜り込ませ、絶好の攻撃のチャンスを与えてやる…


絶対に逃げられない距離、逃げられないタイミングで!お前が俺にダメージを与えるチャンスだと確信したその瞬間!


まずは【粉砕破打メテオスマッシュ】で体勢を崩し、【巨人の一撃タイタンショック】の直撃で仕留める!…完璧だ…カンペキな作戦だ!!



「っ!!」



良いねぇその表情…。イケる!!…とか思ってんのか?あ!?

直ぐに絶望に染めてやるよ!!あと10秒………3、2、1!!!



「う、うわぁ!!」



俺はわざと体勢を崩し、隙を作る!…クソガキが勝ち誇ったように踏み込んできた!!今だぁぁあぁああ!



「【粉砕破打メテオスマッシュ】!!!」


「なっ!!!」



クソガキは俺に攻撃を弾き返され、大きく上体を仰け反らせる!

トドメだあぁぁぁああああ!!!!





「【巨人の一撃タイタンショック】うぅぅぅ!!!」





俺は昂る快感と共に、ハンマーを振り下ろした!!



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