74


「おらあぁぁぁああ!!!」



ガザックの猛攻!ハンマーを振り回し、怒りをぶつけるかのような連撃!



「……っ!」


「なっ!!当たらねぇ!!」



俺は攻撃をことごとく躱していく!





「ど、どうなってんだぁぁ!?…アイツ、ガザックの動きが分かってるみてぇに…」


「分かってんだよ」


「あぁぁ!?」



ブレングスの疑問に、マイルが答える。



「ナギが戦線離脱した後、ただ休んでたとでも思うのかぁ?」


「ナギは…ずっと…した…」


「はあぁぁぁ!?」



マイルとノノはニヤリと笑う。



「ナギが…本気で集中して視れば…相手の行動パターンを予測することくらい…簡単…」


「な…何言って…」


「ナギが言うには…相手の動きは、状況や戦術…そこに相手の性格やクセを織り込んで考えれば、殆ど予測又は誘導することが出来る…らしいぜ?」


「んなアホなぁぁ!!手番の決まったボードゲームじゃないんだぞぉぉ!?そんなこと出来るわけ…」


「意味わかんねーだろ?…でもナギの“頭”はオレ達と根本的に出来が違う」



マイルがブレングスを真っ直ぐに見据える。



「ば、バカなぁ…仮にそうだとしても…そんなこと戦闘中にぃ…」


「だから3…俺達が時間を稼いだ」


「!!!」


「安全圏から…“視る”ことだけに集中した…ナギの思考力と学習力…ナギに狙われた“標的エモノ”は…気付いた時には掌の上…」


「3分?…たった3分でガザックの行動パターンを全て把握したってかあぁぁ!?」


「流石に全てとはいかねぇよ!でも今、ナギの頭の中では、観察したの情報に、修正と補足が繰り返されてるはずだ…」


「まあ…見てればわかる…よ?…」





振り下ろし…中段横薙ぎ…返す刀で上段…振り下ろし…いいぞ、だいぶガザックのイメージと実際の動きが合致しだした…。



「くそおぉぉ!!…ゼェ…ハァ…どうなってやがる…」



ガザックは動きを止める。…よし



「っ!!」


「くっ!!!」



俺はガザックに急接近!息をつく間を与えるな!!



剣撃強化ソード・レイズ】!



スキルを発動しつつ、ガザックの懐へ潜り込み、斜めに斬り上げる!!



「ぐわああぁぁぁぁああああ!!!!!」


「ガザック!!」



ガザックが絶叫!

ブレングスは慌てふためき、ガザックはその場に片膝を着き、息を荒げる。



「一家に一つの苦痛薬。しぶといアナタに、より現実的リアルな痛みをお届けします……どうだ?自分が使われる気分は?」


「そうか!あの時、ブレングスの苦痛薬を!!…さっすがナギ!ざまあみやがれガザック!!」



苦痛に表情を歪めるガザック。大してHPは削れなかったが、HP以上の痛みがあるだろ?…思い知れ、ガザック。


…だが、勝負はこれからだ。俺の攻撃じゃイマイチ決め手に欠ける…。重装備系ジョブ特有の高い物理耐久…。ヤツも戦い方を修正してくるはず…奇襲は成功したが、キツイのはここから……


出来ることならが…そうも言ってられないよなぁ…。




「……ろす…」


「?」


「…す…ころす…殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスー!!!…【狂戦士の血マッドブラッド】おぉぉぉ!!!!」




ガザックが怒号と共に立ち上がり、身体が赤黒いオーラに包まれる!



……来る!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る