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俺とガザックを囲むように赤い光の円が出現。半径10m程だろうか…これがバトルフィールドか…。ブレングスとマイル達はフィールドの外で静かに見守っている。この勝負が運命を分ける…俺達にとっても、“あの子”にとっても…。俺は短く息を吐き、集中する。
「一応言っておくが、このサークルから出ると、その間ダメージを受け続けるから注意するんだな!」
「…ご丁寧にどーも」
この情報はアリシアさんからも聞いていた通りだ。この仕様は、今回鍵になる…仕掛けの種も撒いた。準備時間は残り20秒…さあ、始めるぞ!!
「ゴミクズが…直ぐに後悔させてやる……」
ガザックが構える。俺も剣を抜き、警戒態勢……残り5秒……2、1…
――――――――――――――――
BATTLE START
――――――――――――――――
俺とガザックは一斉に駆け出す!
動きを読め…。先ずは初手…俺をナメ切っているガザックは、当然突っ込んでくる……戦闘に水をさされ、散々煽られてフラストレーションの溜まったガザックの初撃は…
「【
スキル攻撃!!
ガザックがうなりを上げるハンマーの一振り!!
だが、それを読んでいた俺は急停止からのバックステップで回避!
「ちっ!…ちょこまかと……」
ステータス面でガザックに対抗できる点があるとすれば、
さて、お次は…
「逃がすか!クズがぁ!!」
後退する俺を猛追するガザック…いいぞ、追ってこい!
ハンマーを振り回しながら追ってくるガザック。その勢いに押され、俺は光のサークルの範囲ギリギリまで追いつめられる!
「くたばれ雑魚がぁぁぁああ!!」
ガザックがハンマーを振り上げる!
「…ふっ、“クイック”」
俺はニヤリと笑みを浮かべ、クイックストレージからアイテムを取り出す!
俺の手に光が集まり、それを出現させる…
「!!!」
ガザックは攻撃を中断し、防御態勢に!…だよな、警戒するよなぁ?
『回復アイテム以外のアイテムは使っても良いのか?』
わざわざ言葉に出してまで、何かアイテムを使ってくることを意識させたんだ、警戒してくれなきゃ困る!
「っ!!」
俺は取り出した小瓶を投げつける!!
ガザックは直ぐさま反応し、それをハンマーで叩き割る!
だが小瓶の中から飛び散った液体がガザックに降りかかり…
「うっ!!なんだ!!?…臭えぇ!!!」
俺は悪臭に怯んだ隙を突いて、ガザックの背後に回り、背中を蹴り飛ばす!
「うおっ!!」
「ガザックぅ!!!」
ブレングスが叫ぶ!
俺に蹴り飛ばされ、態勢を崩したガザックは光のサークルの外へ!!
「ぐあぁっ!!」
ガザックの身体を赤い電流のようなものが覆い、ガザックのHPが削られていく!
これがフィールドアウトした時のペナルティダメージか、結構良いダメージ入るな…。
「ふざけやがってぇ!!」
慌ててフィールド内へと戻ってくるガザック。
「なんだ今のはあぁぁあ!!!」
怒声を上げるガザック。HPは1/4程削れたな…。
「“屍人の生き血”…スゲー臭いだろ?それ」
「なっ!モンスターの素材アイテムだとおぉぉ!?」
フィールドの外でブレングスが驚嘆の声を上げる。そう…俺が投げたのは、昼間のグールとの戦闘でドロップした“屍人の生き血”。アイテム説明欄に“酷い悪臭を放っている”って書いてあったから、使ってみようと思ったんだが…
ノノとマイルはサムズアップのポーズ……グッジョブ、ってか?まぁ、上手くいって良かった。
「グールのクセェ体液だと?……く…殺してやるうぁぁぁああ!!!」
ガザックは激昂!
俺に向かって突進する!!
さーて、同じ手はもう使えない…次は……
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