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「……」
ガザックは答えない。沈黙は肯定だよ、ガザック。
「少し考えればわかる。俺達がアンタとあったのは昨日の夜。それ以前から俺達はアンタの手下につけられていた。少なくとも昨日の時点でアンタは俺達に目を付けていたはずだ…そして昨日の夜の時点では、まだあの子は生きていた」
うんうんとマイルが頷き、ガザックは沈黙を貫く。
「そして、俺達を襲う算段が付いたんだろう…今日実行に移したわけだ。今日の午前中からアンタの手下が俺達を追跡しているのを確認している。タイミングを見計らっていたのかな?この時点でアンタはいつでも出てこれるように待機していたはず…」
「だからなんだ?…」
「…魔物の群れに襲われたのはいつだ?昨日の夜はアンタは酒も飲んでいたようだし、夜中にアンタの相棒らしいそこの弓使いも連れずにそんな危険地帯へ?襲撃作戦が控えてるこの時に?…合理的じゃない。」
「……ふん!その通りだ!あのゴミはまだ俺が飼ってるよ!だからどうした!?その内、龍種の討伐クエストの囮役でもやってもらうさ!!あの獣人の運命は変わらねぇ!!」
ガザックは高笑い。…よし、予想はついていたが、あの子の生存確認は出来た。それにこの流れなら…
「下らない嘘つくね…アンタ」
「ふん!良いだろう!あんなゴミが賭け金で良いなら賭けてやるさ!」
…オーケー、最低ラインの賭けは成立…。
「そもそも俺が負けるはずねぇんだ、何を賭けても変わりはしないがな…」
「そうか、それじゃあ追加要望で…アンタの持ってる武具全部」
「はあぁぁぁ!?テメェ調子に乗るなよおぉぉぉ!?ガザック、そんな賭けに乘るこたぁねぇぜぇ!?」
ガザックの眉根がピクリと動く。怒ってる怒ってる…このまま…
「あー!…流石に武具全部取られたら困るか…ほら、お仲間も心配してることだしね?」
「……テメェ…良いだろう……さっさと始めるぞ!ギタギタに刻んでやる!!」
「おいぃぃ!ガザック!?」
「うるせぇ!!口挟むんじゃねぇよブレン!!俺がこんなEランクのクズに負ける訳ねぇだろうが!!さっさと離れてろ!!…始めるぞ!ゴミクズ!!」
いいね……短気な馬鹿は、扱いやすくて助かるよ。
俺とガザックの前にポップアップが表示される。
―――――――――――――――――――
決闘を申し込まれました
ガザック Lv46
挑戦を受けますか?――Yes / No
―――――――――――――――――――
俺はYESを選択。
―――――――――――――――――――
賭け金の確認を行います
ガザック
奴隷所有権(クズ猫)×1
武具ストレージ内全てのアイテム
ナギ
ギルド 5182 メンバー全員の全て
ギルド 5182 メンバー全員の奴隷化
相違ありませんか?――Yes / No
―――――――――――――――――――
おぉ…事前に決めていた賭け金が自動で反映されるのか…。そういえば俺達のギルド名、仮の登録番号なんだっけ?…早く決めないとな…。
俺はここもYESを選択。
「ルールを決めるぞ!…どちらかのHPが尽きるまでの
ガザックがツールボックスを操作しながら進める。再び俺の前にポップアップが表示。
――――――――――――――――
ガザックがルールを提示しました
確認する / 同意する
――――――――――――――――
俺はルールの内容を確認…さっきガザックが言ってたことに相違ないな…。
「…回復アイテム以外は使ってもいいのか?」
「?…あぁ、構わない」
「そうか、わかった」
俺はルールに同意。画面が切り替わり『準備時間 60秒』と表記され、カウントダウンが開始。
俺はツールボックスを開き、あるアイテムをクイックストレージへ登録。クイックストレージ…ツールボックスの機能の1つ。最大5つまでのアイテムを登録でき、そこに登録したアイテムは心の中で念じるだけで取り出すことが出来るようになる。わざわざツールボックスを操作する暇は戦闘中にはないからな…。
「………」
ガザックはツールボックスを操作する俺を、訝しげに見ていた。
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