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「ゼェ…ハァ…ハァ…しつこいんだよテメェらぁぁあ!!」
「ハー…ハー!…い、いい加減…諦めろよぉぉぉ!!」
オレとノノが立ち上がる。へへ、ザマーミロ…息上がってやがる。
「もう…終わり?…ノノ達は…負けてない…よ?」
「まだ…まだぁ!……おら、来いよ」
オレとノノは手招きする。
オレは必至でガザック達に喰らい付いていた。でもやっぱ、力が足りねぇ…オレ達二人じゃ、コイツら泣かすのは無理そーだ。でも…あともう少し!…
「…家畜の分際で、吠えてんじゃねえぇぇ!!【
「ぐあぁっ!!!」
ガザックが接近し放った一撃が生み出した衝撃波に、吹き飛ばされるオレ達。
「ハァ…ハァ…いい加減寝てろ!!」
ピコン――
「「!!」」
突然、頭に響く電子音。オレとノノは倒れたままツールボックスを開く。…来たか!
「…おぉぉ!?ポーションでも使う気か?いいぜぇ!自分達で回復してくれるなら手間が省けるぅ!またいたぶってやるよぉ!」
「待て!飛翔石を使う気かもしれねぇ!!」
「おっとぉ!それはいけねぇぇ!だが飛翔石無効化のアイテムが…」
「ハッ!使うかよ、そんなもん」
「なに!?」
オレ達はツールボックスを閉じる。…りょーかいだ、ナギ!!
「テメェらは、オレ達が泣かすって言ってんだよ!」
「あぁぁぁ!?この期に及んでまだそんなことをぉ…」
「3分経った…」
「は?…何の話だ?」
「お前らは“詰んだ”って話だよ!…」
「ちっ!…」
ブレングスが舌打ちをしながら、オレに歩み寄る。
「あぁぁぁ…鬱陶しんだよ!ゴミの!分際で!!いい加減!許しを請えよ!!…」
「うっ!…ぐっ…くっ…」
ブレングスが倒れているオレを何度も蹴りつける。HPは大して減りはしないが、その衝撃が体に伝わる…。
「おぉぉぉい!…コイツらの回復だあぁぁ!!このままじゃ気が収まらねぇぇ!」
「へいっ!!」
取り巻きヘボヤローの男が駆け寄ってくる。オレとノノに向けて回復魔法をかける。
「ちっ…そろそろ、苦痛薬の効果が切れるなぁ…新しいのを……」
ブレングスがツールボックスを開き、苦痛薬を取り出す。その栓を抜こうと手をかけ…
「よく耐えた…」
「!!!」
「て、テメェはあぁぁ!?」
「【
突如現れたナギが高速で移動し、取り巻きとブレングスを斬り付けた!!来たか!!
「なぁにぃっ!!!」
取り巻き男は消滅。ブレングスは不意の攻撃を受け、持っていた苦痛薬を手放す!
「貰うぞ…」
それをナギが剣で叩き割る!
割れた瓶から飛び出した液体が、ナギの黒羽の剣に付着。斬られたブレングスは、HPを削られ尻餅をつく。
「立てるか?…二人共」
「「…当たり前」」
オレとノノは立ち上がる。取り巻きヘボヤローのお陰で、HPは全快。ホント、抜かりねぇタイミングなことで…
「…さっすがー」
「お前ら…」
ガザックから沸々と怒りの感情を感じる…。
「どこまで手間かけさせる気だあぁぁぁ!!!」
「…あぁ悪い、もう終わりにしよう。ガザック……お前に“決闘”を申し込む」
「なんだと!!?」
ナギが剣をガザックに向けた。
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