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「おらああぁぁ!!」



マイルがガザックに急接近。大剣を振りかざす!

ガザックは背負っていた戦槌ハンマーを手にこれを受け、両者は鍔迫り合いの状態に…


その間に俺は取り巻き二人に接近!…雑魚から片付ける!


が、そこにブレングスが弓を引き絞りながら割って入り、矢を放つ!



「くっ!!」



俺は何とかその矢を剣の腹で弾く。速い…今の動き、敏捷性がかなり高そうだ…。



「良いぃぃぃ反応だぁぁぁ!良く防いだなぁぁ」


「くそ…」



まずは敵の数を減らしたいが…。


PvPたいじんせんにおいて、最も重要なのは“情報”と“先読み”。相手が何をしてくるのか、何を考えているのかをイチ早く察知して対処する…。さっきの雑魚5人衆は、基本的な陣形は組めていたものの、連携はお粗末で攻撃も大振りの隙だらけだったが…



「ふん…軽いんだよぉ!!」


「うわっ!?」



鍔迫り合いをしていたマイルが、ガザックに軽々と飛ばされる。マイルの筋力パラメーターであんなに軽々と!…。やっぱり、20のレベル差の影響は大きいか!…



「よそ見してると危ないぞぉぉぉぉ?」



ブレングスが二射連続で放ってくる!

俺は大きく跳び退き回避!


…まずいな。


さっきまでの5人とは訳が違う。まずガザックとブレングス個々の戦闘力の高さはもちろんのこと…コイツら戦い慣れている。


ガザックが中央に陣取り、周辺をブレングスが移動しながら遊撃…ウチで一番馬力のあるマイルをガザックが抑え、ブレングスが牽制射撃を繰り返し、俺とノノを自由に動かさない。同じパワーアタッカーの力比べじゃマイルに勝ち目はない…マイルのフォローにも回りたいが、ブレングスが絶妙なタイミングで邪魔に入ってくる。


今のところ、雑魚二人に動きはないが、警戒を外すわけにもいかない…。それにこのブレングスという男…なかなかのクセモノだ。ガザックの間合いをしっかりと把握しており、ガザックの邪魔はせず、その上でしっかりと俺達を牽制する…ウザイな。



「おらおらどうした?さっきまでの威勢はよお!!」


「ケッケッケ!ほぉらぁ、逃げろ逃げろぉ!!」



くそっ、徐々に俺達が押されてマイルから離されている…陣形が崩れたら連携が取れない!マイルもガザックの攻撃を凌ぐだけで手一杯だ。



「っ!!!」


「おぉーっとぉ!危なぁい!」



俺はブレングスに接近し斬りかかるが、ひらりと躱され、また距離を取られてしまう。この状況…打開したいが…


問題がもう1つ。ノノが先の5人との戦闘で【人形劇ドールアクター】を使ってしまっている点だ。人形を自在に操り攻撃できる人形劇ドールアクターの効果中は、近、中距離で破格の攻撃力を誇るが、効果が切れた今はノノの戦闘力は半減…


人形劇ドールアクターCTクールタイムは5分…再使用可能まで後3分といったところか…これは本当に、分が悪い!!

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