56


「グオオォォォウ…」



――――――――――――――――

ファットグール・グランデ Lv39

 HP 1620/1620

 弱点属性:火 聖

 攻撃:ブレス(毒) 打突 

    噛みつき(毒)

 魔法:なし

――――――――――――――――



俺達は木陰からファットグールの様子を伺う。グールの山があった場所にファットグールは戻ってきていた。ファットグールの周辺にグールが4体…あれ?ファットグールのレベルって38じゃなかったか?



「グアアアァァァ!!」


「!!!」



突然、ファットグールが近くにいたグールを両手で二体掴み、口の中に放り込んだ!



「く、喰った!?…」



――――――――――――――――

ファットグール・グランデ Lv39

 HP 1700/1700

――――――――――――――――


HP総量が増えた!?コイツ!…共食いしてパワーアップしてるのか!?



「グオッ!?」


「「「!!」」」



ファットグールが急にこちらを向いた!見つかった!!

親玉と取り巻き二体…やるしかない!



「やるぞ!ノノ!マイル!」


「「おー!!」」



俺達は戦闘態勢に入る。まずは邪魔な取り巻きからだ…



「マイル!グール二体を頼む!ノノと俺で親玉の注意を引き付けるぞ!」


「了解!【炎剣】!!」



マイルがスキルを発動させつつ、グールに向かっていく。下級剣士のスキル【斬響ソード・シャウト】を使えばファットグールの注意を引けるが…俺の“不限の器ジョブ”の、ここで剣士にスタイルチェンジするのは愚策だ。



「だったら…【ファイヤーボール】!!」



俺はファットグールの顔面に向けて火球を放つ!

…ダメージは62!?くっそ!思ったよりダメージ入らない!!


だが、ファットグールのヘイトを俺に向けることは出来た。その間にマイルが1体のグールを討伐!二体目に向けて走り出す。



「ガアァァウ!!」



俺はファットグールが放ってきた拳を躱す。動きはそこまで速くない、落ち着いて対処しろ…。



「おらあああぁぁぁ!!」



マイルが二体目のグールを仕留める!よし!後はこのでっかいのを倒すだけだ!



「後はテメェだコノヤロォォォ!!」



マイルが【炎剣】の効果が切れる前に、ファットグールに一撃!…78ダメージ!イマイチ有効打にならない!…



「ウ゛…バア゛アァァアァア!!」


「なっ!!?」



斬り掛かったマイルに向けて、ファットグールが紫色の息を吹きかける!ブレス攻撃か!!



「うっ!!…なん…だ、これ」



マイルに異変が起こる!苦しそうな表情のマイル。俺は直ぐさまマイルのステータスを確認。



――――――――――――――――

  マイル Lv24 〈猛毒〉

  HP 649/680

――――――――――――――――


「下がれ!!マイル!!」



マイルのステータスに〈猛毒〉の表記が!…

HPがどんどん減少している!これは…多少MPを削るが仕方ない!



「ノノ!少しの間、時間を稼いでくれ!!マイル!早くこっちに!!」



二人に指示を出しつつ、俺は【下級神官】にスタイルチェンジ。ノノは【人形劇ドールアクター】を発動し、ミハエルでファットグールに向けて攻撃態勢。今の内に!…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る