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「…いけ、マイル!」
「あらよっと!」
フラフラと歩いていたグールにマイルが炎を灯した大剣で奇襲をかける!
「ア゛ア゛アァァァァ…」
「【ファイヤーボール】!【フレアボム】!」
マイルが攻撃を仕掛けたグールの後方にいた、もう一体のグールに炎魔法の二連撃。二体のグールは消滅。リザルトが表示される。
「ふーっ…けっこー減らしたんじゃないか?」
「そうだな…一度ファットグールのいた場所に戻ってみるか。…ん?ドロップアイテム屍人の生き血?…生きてるのか死んでるのか、どっちかにしろよ…」
俺達を追って来たグールの群れは、俺達の姿を見失い、かなり広範囲にバラけてくれたようだ。そのお陰で俺達は、一体一体着実にその数を減らすことが出来ていた。問題はファットグール…レベルもかなり高かったが、あの化け物をどう対処するか…。
「まだ取り巻きのグールも残っているはずだ…警戒しながらいくぞ」
「「了解」」
俺達は再び森の奥へと向かった。
その俺達の背中を木の上から見つめる一羽のフクロウ。その姿に俺達は気付かなかった。
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その頃、センターギルドにて…
「ハリスさん!!」
「なんだ?…急に大声を出すな、マイネ」
「大変です!新人君達に付けていた“
「どうした?」
「リンドの森のファットグールが…グランデに進化しています!」
「なんじゃと!?」
「まずいですよ!駆け出しの冒険者に任せるような相手ではありません!」
「……まぁ、任せてしまったものは仕方ない」
「ハリスさん!!」
「はぁ、騒ぐな…幸いにも、あやつ達は
「もう!またそんなこと言って!!」
「あやつ達が失敗した時に備えて、後釜の部隊を選別しておけ…」
「そんな悠長な!…はぁ、わかりましたよ!ハリスさんの人でなしっ!!」
「む…人でなし?…」
ハリス=ウースラッドは溜息を一つ吐くと、ポリポリと頭を掻いた。
「期待…しとるのかもしれんのぉ……いや、それはないの」
ハリスは冷めてしまったコーヒーを飲み干した。
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