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「準備はいいか?…いくぞ!」



俺は茂みの陰から飛び出し、グールの山に向かって魔法を放つ!



「【フレアボム】!!」


「「「「ギャアアァァァ!!」」」」



フレアボムはグールの山の真ん中に着弾し、爆散。複数体のグールの奇声が上がり、ボロボロと屍の山が崩れていく…え?なんじゃありゃ…



「ブオ゛オオオォォォォアアアアアアア!!!」



グールの山の中からソイツは姿を現した。ぶくぶくと膨れ上がったような巨体、昨日のオーガ…よりもデカい…コイツは!



――――――――――――――――

ファットグール・グランデ Lv38

 HP 1545/1545

 弱点属性:火 聖

 攻撃:ブレス(毒) 打突 

    噛みつき(毒)

 魔法:なし

――――――――――――――――



「あー…なんか言ってたね、ハリスのおっちゃん」


「コイツがー、ファットグール、ね…うん、よし、撤退!」



俺達は踵を返し、一目散に後退!ファットグールを含め、グールの群れが追ってきた!



「逃げろぉぉぉおおお!!!」


「グアアアアァァァァ!!!」



ファットグールが雄叫びを上げ、地を揺らし、木々を薙ぎ倒しながら追ってくる。とりあえずアイツは後回しだ!



「【ファイヤーボール】!!」



俺は振り向きざまに、先頭になって追って来ていたグールの一体に魔法を放つ!

グールは火だるまになり、その場を転げまわる。


よし、スピードは俺達の方が速い。突き放したら、一度身を隠して…



「【炎剣】!!うおりゃあああ!!」



マイルがスキルを発動し、連撃を放つ!二体のグールが消滅。



「マイル!無理するな!!」


「おう!」




マイルは撤退を再開。続いてノノがミハエルを上空へ放り投げ…



「【鉄人形注意報アイアンメーデー】!!」



巨大な鉄の人形が、グールを10体近くまとめて圧し潰す!…が、ミハエルの下から藻掻きながら、グールが這い出てくる!ほんっと物理耐久高いなこいつ等!!



「引くぞ!!」


「【人形劇ドールアクター】」



ノノが人形劇ドールアクターで、ミハエルを回収。俺の魔法とノノのミハエルで敵を牽制しつつ、俺達は走り抜けた。





「はぁ…はぁ…きっつーっ!」


「とりあえず…逃げ切れたな…はぁ…」



俺達は何とかグールの群れを引き離し、木陰に身を潜め、息を整えていた。近くでグールの呻き声がする…。俺達を探しているようだ。



「ふー…逃げながら10体くらいは狩れたか?」


「たぶん…その…くらい」


ピコン――――


「お!?」



俺の目の前にポップアップが表示される。



――――――――――――――――――――

 【下級魔導士】の熟練度が上がりました


    スキルを習得しました

 ・【フレイムスロウアー】

 高熱の炎を噴射する。継続して炎を放射

 出来るが、放射している間MPを消費する

 

 消費:MP6+α CT:100秒

―――――――――――――――――――――



「おぉ!!」



炎系統のスキル!…コイツは、使えるかも!


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