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「ギギャアァァァァァ!」



俺は二体のゴブリンを。リザルト画面が表示される。宿を抜け出して二時間程が経っただろうか…。ゴブリンや平原オオカミを30体近くは狩っているはずだが、レベルは23のまま…。


アリシアさんも言っていたが、やはりレベルが上がれば上がるほど、レベルの上がり方が極端に遅くなってきているようだ。でも…成果はあったな。ジョブの熟練度も上がって、新しいスキルもいくつか手に入った。



「…少し休むか」


「ナーギー…」


「!!」



振り返るとそこにはマイルとノノが!



「ノノ!マイル!…」


「見ーちゃった…」


「やっぱり何か隠してやがったなー!なんだよそれ、説明しろぉナギ」



二人が俺に詰め寄る。ありゃー…見られたか…。まぁそろそろ話しておくべきだとも思ったし、ちょうどいいか。



「あー…もうちょっと後で驚かせてやろうと思ってたんだけどな。俺は“下級剣士”じゃない。いや、下級剣士でもあるっていう方が正しいかな?俺のジョブは…」




18時間前…



『先ずは君の職業…ジョブを決めてもらうよ!』


ピエロの頭に翼が生えたような姿の奇妙な生物、テックが言う。



――――――――――――――――

 検索結果  適正件数:228件

――――――――――――――――


に、228件!?そんなに選べるジョブって多いのか!?


俺は表示された画面をスワイプし、検索されたジョブをスクロールしながら見ていく。


大半がE、D、Cランク…Bランクもちらほら…お、Aランクもあった!ていうかこの数の中から一つ選ぶのか…大変だな。一先ず全部目を通すか…。



「ん?…」



その中に目を引くものが一つ。Sランク!!…確か、最高ランクだよな!?




――――――――――――――――

   【不限ふげんうつわ】 Sランク

――――――――――――――――

 

 


不限の…器?

名前からはどんな性能なのか予想もつかないな…。


俺は不限の器をタップして、詳細画面を開く。



「こ…これって…!!」





「「は?……」」



俺はノノとマイルに俺のジョブ、【不限の器】について説明した。二人はキョトンとした表情を見せる。



「それって…」


「マジかよ…」


「あはは…びっくりだろ?…まあ、まだ大した戦力にはなれないかもしれないけど、とりあえず当面の目的は決まったし、少しでも強くなろうと思ってな」



俺はノノに視線を送る。ノノは理解したように、はっとした表情を見せる。



「ナギ…もしかして…」


「あぁ…ガザックに痛い目を見てもらおう!」



俺は二人に笑顔を向ける。なんとなく分かる。二人もガザックに一泡吹かせてやりたくて、宿から出てきたんだろう…強くなるために。俺達after schoolのメンバーの最も嫌いなものは、ゲームでの敗北。


ガザックを相手に、救いたい者が目の前にあったのに、何もできなかったのは…実質的敗北だ。待ってろよ…勝ち逃げは、許さない…それが俺達アフタースクールだ。



「よっしゃあ!!ガザックの野郎に、ギャフンと言ってやろうぜ!!!」


「「………」」


「あれ?…どした?」



マイル…ギャフンとか、と言ってやるかのどっちかにしてくれ。なんで俺達がギャフンと言わなきゃならんのだ。






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