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どのくらい話しただろうか。アリシアさんはこの世界のことを沢山教えてくれた。かなり有益な情報もいくつか貰えた。そして…



「いやー!今日は楽しいっ!!」



アリシアさんは酔った。



「飲みすぎじゃないですか?…」


「らいじょーぶー!マスター!…んんんんもう一杯!!」



アリシアさん、酒癖悪いタイプなのか…。



「じゃーそろそろー、【隠蔽】スキル教えてあげよっか?」


「え!?いいんすか!?」


「うんうん!可愛い新人ちゃんだものぉー!」



そんな簡単に習得出来るのか!?アリシアさんの酔っぱらいっぷりに少々不安を感じるが…



「じゃー今からー、私が皆のステータスを見ようとするからー…見せない!!って心の中で強く拒絶してくださーい!!…拒絶されるの悲しいっ」



え?…そんなんで良いのか?



「じゃーいくよー!!…それ!」


アリシアさんが俺達を見つめてくる…黙ってれば、物凄い美人なのになぁ。



「おっと」



そんなこと考えてる場合じゃない。…見るな!!



ピコン


「「「え?」」」



ポップアップが表示される。



――――――――――――――――――――

   パッシブスキルを習得しました


 ・【隠蔽いんぺい】Lv1

自身のステータスを閲覧する行為を妨害する


 ※解放条件

 ステータス閲覧に拒絶の意を示す

――――――――――――――――――――



ホントに習得出来たよ…。こんなことで解放されるスキルもあるのか…。



「んふふー…レベル3まで上げとけば充分だよー!高レベルの【識別】スキルを持ってる相手には隠せないけど、そんな奴あんまりいないからねー!スキルポイントも勿体ないしっ」



ノノとマイルは言われた通り、スキルポイントを割り振り【隠蔽】スキルのレベルを3まで上げた。俺は…



「あれー?ナギ君は上げないのぉ?スキルレベルぅ?」


「…はい、俺にとってはこっちの方が“都合がいい”ので」


「ん?あ、そうか!わかったぞ!!ナギはEランクだから周りに見せた方が狙われないってーことだろ!!Eランクなんて誰も欲しがらないもんなっ!」



どや顔で失礼なことを言うマイル。まぁ、そうだけど、“それだけじゃねぇ”よ!!



「はっはっは!…て、あれ?ノノのステータス、ちゃんと見えるぞ?なんでだ?」


「パーティメンバーには見えるんだろ。味方にまで隠してたら厄介だろ」


「そそ!ギルドメンバーとか、フレンド登録した人には見えるよー…あ!!皆のステータス見れなくなっちゃった!かなしいー!!フレンド登録してー!!」



ま、まぁ…断る理由もないし。

俺達はアリシアさんとフレンド登録した。


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