34
「今の人は?…」
「バトス=ローガン…見ての通りむちゃくちゃ強い、そして正体不明のNPC。ここでは“
「ギルドの仕事を受けて生活してるみたいでね…たまーに此処にきて、依頼を受けて直ぐに出て行っちまうんだよ。あまり人と関わろうとはしないみたいでね」
「NPCにも冒険者がいるんですね…」
「そう…だね…」
アリシアさんの表情が少し曇ったように見える。
「どうか…しましたか?」
「いや、何でもないよ…とにかく席に着いて、何か注文しよう!私の奢りだ!」
♦
「はあぁぁぁぁあ!?一日でレベル20も上げたってのかい!?」
「「「いやー…それほどでもー」」」
俺達はこれまでの経緯をアリシアさんに話した。俺達の話を聞いてアリシアさんは驚嘆する。
「私達がレベル20に到達するのには、丸3日はかかったってのに…しかもそのダンョン、未発見のダンジョンだよ!情報屋にその情報売ればいい金になるよ!?」
「え、そうなんですか?」
「ああ!こんな近場に未発見のダンジョンがあったなんて。いや…」
アリシアさんは言葉を止め、考え込むような様子。
「どうしましたか?」
「未確認のダンジョンの情報はいい金になる…でもその情報を公開すると、多くの冒険者がそこに押し寄せるだろうね。そうなるとアンタ達がまだ探索してない下層のフロアも荒らされちまう…情報を金に換えるか、ダンジョンの探索を独占するかはアンタ達に任せるよ」
「「「……」」」
俺達は顔を見合わせる。
「ちょっと、考えます」
そう答えた俺に、そうかい、とアリシアさんは頷き、ジョッキに入った酒を一口飲んだ。俺も自分のジョッキを口に運ぶ。ジュースだけどね。ミックスジュースのようなフルーティな味わい。変わった匂いがするけど、悪くない。
「いやー、中々面白い話が聞けて楽しかったよ!さてと、今度は私が色々話してあげようかなっ」
そう言ってアリシアさんはジョッキを空にすると、そのジョッキを掲げる。
「マスター!!おかわりちょーだーい!!」
店の奥から、はいよー、と気の抜けた男性の声が返ってくる。
「さて…まずはアンタ達、その“状態”でふらふらほっつき歩くのは危ないよ」
「?」
「特におじょーちゃん、アンタはね…」
そういってノノを見つめるアリシアさん。
「?…どういうこと…ですか?」
「私のステータスは見ただろ?何が見えた?」
「!!」
そうだ、アリシアさんだけじゃない。これまで見てきたプレイヤーのほとんどが名前とレベル以外の情報を見ることが出来なかった…
「隠せるんですね!?」
「そ!【
アリシアさんはニコリと笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます