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部屋の中央。地面がぼこぼこともり上がり、集まり、何かを形作っていく。


腕…足…これは…



「ガガアアアアアァァァァァ!!」


「なんだコイツ!?」



俺はすぐさま“それ”を注視してステータスを確認する。


――――――――――――――――――

 ガーディアン・ゴーレム Lv30

HP 400/400

弱点属性 ?????????

――――――――――――――――――


「「「ゴーレム!!?」」」



がっしりとした巨躯、ごつごつとした岩肌の体表、赤く光る眼。ファンタジー物ではお馴染み、まさしくゴーレムがそこに現れた。



「ガーディアン…ね」


「コイツ、倒せば…扉…開く?」


「だろうな!さっさと倒して、肉食いに行こうぜ!肉!」



俺達は戦闘態勢に入る。ところで…焼き魚が食べたいんじゃなかったっけ?



「ガガガガ」


「「「!!」」」



ゴーレムが殴り掛かってきた!意外と動きが速い!!

俺達はそれぞれ別方向に回避し、ゴーレムを取り囲む。


まずは観察だ。識別スキルで弱点属性が見えない…スキルのレベルが足りないのか…それとも…。



「全力でいいか!?ナギ!?」


「いや、慎重にいこう!まずは様子を見ながらスキルは温存!隙があれば攻撃してみてくれ!!」


「「了解!」」



HPは400か…高くはない、というより寧ろ低い。これまでの昆虫系モンスターの方がHPの数値は高かった…が。ゴーレムってゲームではよく、倒すのに面倒くさい設定とかがあったりするんだよなー。


ありがちなのは…コアの破壊、とか?


俺はゴーレムの胸に埋め込まれた赤く光る宝石のような物に目を向ける。うわー、有り得そー…。



「もらったあぁぁぁ!!」



背後に回っていたマイルが大剣でゴーレムの背中を斬りつけた!



「おっ」



12ダメージ…やっぱ防御力は高いな!いや、ダメージが入っただけでもありがたいか。ダメージを入れられるなら倒せ…ん?


ゴーレムの胸のコアが強い光を放つ。



「回復した!?」



ゴーレムは僅かながら受けたダメージを直ぐに回復してしまった。んー…



「ほっ!!」



俺は駆け抜けざまにゴーレムの足を二度、斬りつける。8のダメージが入る、が…



「ガガガ、ガ」



再びコアが赤く光り、直ぐにHPは元通り全快に。やっぱり…



「これってコア破壊必須じゃね?」


「だと思う…どうにか隙を作って胸のコアを叩こう!」



とはいえ、コアと思われるものは胸のど真ん中…。あれを狙う為には敵の真正面で対峙することになる…適任はノノだな。



「ノノ!人形でコアを狙ってくれ!俺とマイルはコイツの注意を引き付けるぞ!」


「おっけい!」


「ノノに任せるっ!…【人形劇ドールアクター】」



俺とマイルが敵左右に展開。ノノは人形劇ドールアクターを発動させた。

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