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俺は現れたゴブリン達のステータスを確認する。レベル2が1体に、レベル3が3体か。これで敵は合計6体になった。もし、このままどんどん数を増やされると面倒だ…となると
「マイル!レベル5のゴブリンを狙え!他のは俺とノノで抑える!」
「「了解!!」」
二人が同時に返事をする。やーっと俺の話を聞いたな…。二人の興奮も多少落ち着いてきたかな?
このまま数で圧倒されてゲームオーバー…なんてオチは面白くない。まずは”頭”を叩く!
最初に石を投げてきたときに号令を出していたのも、大声を出して仲間を呼んだのも、あのレベル5のゴブリンだ。おそらく、こいつらの中ではリーダー格…アイツを倒せばこれ以上仲間を呼ばれることもなくなる!…と、思う。知らんけど。
「ガアァ!」
「おわっ!」
一匹のゴブリンが跳びかかってくる。俺はそれを躱し、ゴブリンを斬りつけた!
「ギャッ!」
よし!…あれ?
倒れたゴブリンが体を起こす。ゴブリンのHPゲージは3/4程残っていた。
えー、まだピンピンしてるよ…まあ、スキル使ってないしな。
俺も使ってみるか、スキル…。
【
「おっ」
俺の持つ剣の刀身が淡い赤色の光を帯びる。ツールボックスを弄り回してた時にスキル一覧で確認したが、このスキルは90秒間、剣による攻撃の威力を高めてくれるというもの。
よし、これなら俺もノノやマイルみたいに一撃でゴブリンを倒せるかも…
「っ!」
俺は起き上がってきたゴブリンとの距離を一気に詰め、肩口から斜めに斬りつける!
「ギギャアア!」
よし!これなら…ん?
俺に斬られ、再び倒れたゴブリン。だが、さっきマイルが倒した時のように消滅しない。HPゲージを確認すると、ほんの僅かだが、HPが残っている。え…マジかよ、俺スキル使ってもこの程度の威力なのか?
「ギヒャヒヒヒ」
ゴブリンが下卑た笑みを浮かべてこちらを見てくる。くそぅ…瀕死のくせに。
「………」
俺は無言のまま、ニタニタと笑うゴブリンを剣先で小突く。
「ギっ」
ゴブリンが光となって霧散する。マイルが「気にするな」とでも言うように、頷きながらポンポンと肩を叩いてくる。
「まあ、Eランクにしては上出来だよ、ナギ」
「うるせー、早くいけ」
「あいあい!任せとけ!…【炎剣】!!」
マイルの大剣が炎に包まれる。マイルは標的のレベル5のゴブリンに向かって突進する!俺もマイルのフォローに回るべく追従し、周囲に気を配る。
右側面から一体のゴブリンがマイルにこん棒で殴り掛かってくる!
「突っ込め!マイル!」
「おけ!」
俺はマイルとゴブリンの間に割って入り、こん棒を剣でいなす。
攻撃を弾かれてゴブリンが体勢を崩したところに一太刀。間髪入れず続けざまにもう一太刀。
一撃じゃ倒せないのは学習済みだからな!
「ギャイー!」
ゴブリンが消滅。再びマイルの周囲へと注意を向ける。
マイルはレベル5のゴブリンに向かっていく。他三体のゴブリンはノノに注意が向いている。よし、叩け!マイル!
「うおりゃああぁぁぁ!!」
勢いよく向かってこられ、たじろぐゴブリンにマイルが逆袈裟斬りを放つ!
バッサリと斬りつけられ、マイルの大剣から燃え移った炎がゴブリンを包み込む!
みるみるHPゲージは減っていき…
「グギャアアァ!」
ゴブリンは光となって消滅する。
「いよっしゃあぁ!」
「…あー、うん、ぐっじょぶ」
得意げに笑顔を振りまくマイルをジト目で睨む。
レベル5も一撃ですか…いいスキル持ってんなー。これがランクBとEの差ですか…
「…っと、ノノ!」
危ない危ない、まだ戦闘は終わってない。
残り三体のゴブリンはノノを取り囲んでいる!
「待ってろ!今助け…」
「【
ノノがそう唱えると、両手の指先から光の糸のようなものが出現し、ゾンビウサギ(仮)の人形に張り付く。するとどうだ、まるで人形が意思を持っているかのように独りでに立ち上がったではないか。
「「おぉ!?」」
驚く俺とマイルをよそにノノは続ける…
「【
今度は二本足で立ちあがったウサギの両手の先からまるで猛獣のような鋭利な三本の爪が飛び出してきた!そして…
「【
ノノが大きく複雑に両手を動かす。それに呼応するかのように人形が素早く動き、三体のゴブリンを鋭利な爪で切り裂いていく!
「「ガアアァァァァアア!!」」
三体のゴブリンがまとめて消滅する。
「ふっふっふー…Aランクのノノに…死角はないっ」
「「………」」
えええぇぇぇぇぇぇぇぇ…
三体まとめて瞬殺、そんなのありっすか。というか既に複数のスキルを持ってらっしゃるんですか?下級剣士は【
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