7.異世界転生について思う事
異世界転生より魔界転生の方が好きです。
はい、そういう訳で何故か昨今ファンタジーと言うと異世界転生と思い描く方が多い程に影響力を持ってしまった異世界転生について私見を述べたいと思います。
別に嫌いじゃないですが、魔人となった剣豪達を相手に柳生十兵衛がいかに戦うか、と言う方が私は心惹かれますが。
まあ、その位の感覚でしかないですね。
これがあるから文学が壊れるとか思いませんし、みんな疲れているんだなぁとしか思えないです。
逃避だとか言われても、無駄にアルコール度数が高い美味くもない酒で現実逃避するより、ずっと健全だと思います。
アル中にもならないし。
でも、嫌いとか気持ち悪いと言う意見も分かるんですよね。
昨今の転生は何と言うか、足掻きとか信念とか気概とか足りてんのかと思いはします。
本来(と言うか今でも)チートはずるい行為と言う意味ですしねぇ。
自分で成長した訳でもない、努力もないから信念が見えない、力を持って他者を抑圧する。
そんな主人公は偶にはいても良いけど、あまり多すぎるとねぇ……。
転生した主人公だけがズルをして、主人公だけが美味い目に合う。
そう言う作品を否定する気はないですが、それだけを異世界ファンタジーだと思われる事には腹が立ちます。
ファンタジーに詳しくない人に聞くと、上記のズルする主人公の話が異世界ファンタジーなんでしょとか言うのですよ。
違うんだよと、皆必死に生きて行く話もあるんだよと私は言いたい。
でも、それは主題がそれるので、ひとまず置いておきましょう。
転生、生まれ変わりですが、異世界に生まれ変わると言う発想自体は面白いとは思うのです。
ダライラマを持ち出すまでもなく、前世の記憶がある子供の話などはそれなりにありますが、そいつを異世界でと考え、娯楽小説に仕立てたのは大したものだと思います。
なろうにおいてはすっかり下火になりつつある転生物ですが、今でも私も含めて転生を主体とした話を書く人は多いでしょう。
上記の通りチートはあまり好きではない私が何故転生物を書くのか? と疑問に思われる方も居るかもしれませんね。
私の場合は、因縁の継承が主な理由です。
隻眼のウォーロードと言う作品(或いは覇王ベルシス・ロガ)に関しては聊か趣が異なりますが、それとてチートほしさと言うよりは、主人公の意味付けと言う理由が強いですね。
その証拠にベルシス・ロガと言う男は血筋と自身が培った経験と努力以外は秀でた物がさほどありません。
補給路の構築や根回しが得意な地味なタイプで、脇役だったら便利なので序盤で死ぬ奴です。
他の作品で転生者と言うと神土征四郎と言う男が居ますが、これは明らかに因縁の継承を狙っております。
ただ、彼の武勇は剣の稽古の賜物であり、たゆまぬ努力が彼を彼たらしめていると私は考えています。
呪術師の生まれ変わりですが、主体が剣士なので。
ただ、まあ、人格形成には一役買っているかも知れないなとは思います。
まあ、うだうだ書いてますけど、要は転生にはチートはいらないし、知識も要らないんじゃないってのが私の本音です。
クラーク・アシュトン・スミスの短編ウボ=サスラとか読んでも、中途半端に知識を共有すると神様に飲み込まれるだけだよとしか思えないのですよ。
私の中でクラーク・アシュトン・スミスの最高峰の一作ですし。
ゾタクァ様も好きですけどね、って最後はやっぱり邪神様か。
でも、FGOのゴッホに付いてるアレは神様じゃねぇと思うんだけどなぁ。
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