カマキリ

@Kanata0407

第1話 トラウマ

自分の容姿にひどくコンプレックスを持っている。ひどく荒れた肌に太って少し筋肉質な自分にはあまり人は寄ってこない。特に小学生の時はよくいじめられて人と喋るのが嫌になった。しかし中学に上がると身長が伸び筋肉質なおかげでいじめられることはなくなった。しかし普段人との会話を好まない私に好き好んで話しかけてくる奴はいない。



クラスの唯一友人と呼べるマーボーがひどくいじめを受けていた。3人組のいつも騒がしい奴らはいつも誰かに嫌がらせをしてみんな嫌っていたがだれも逆らえなかった。だからマーボーがいじめられていることを助けるなんてだれも考えちゃいない。むしろこの光景が日常すぎてそれがないとみんな違和感を感じてしまうのだ。しかしある日マーボーが抵抗した。いつもは笑ってただ耐えていたはずのその腕は側からみていたら滑稽なくらい振り回されて相手に当たった。しかし3人組は避けて笑いながらも少し驚いたようにマーボーを思い切り殴って唾をかけた。僕はそれが許せなかった。数学の授業で使う大きな三角定規の角で奴らを執拗に殴った。多少傷ができるくらいに殴ったあと応戦して殴りかかって来た奴らに僕は少し力を入れて腕と首を掴んだ。それは細く弱々しいものだった。思い切り投げ飛ばした。クラスの連中は一体何が起きたのかまるでわかっていない。3人組は教室から出て行き私は黙って自分の席へ戻った。私はクラスの連中からの視線と自分のした事の大きさに震えあがっていた。家に帰っても落ち着くことができない。明日から奴らにどんな風に復讐されるのか怖くて仕方がなかった。次の日眠ることもできずに学校へ行った。

クラスの連中から浴びせられたのは冷たい視線ではなかった。マーボーが自分のとこはやって来た。「ありがとう、助けてくれて」私は「良いんだ」と言うだけで他には何も言わなかった。しばらくすると奴らは来た。何も言わずに自分の席に座る。いつもと明らかに様子が違った。

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