突然の暑さに、わたしは飛び上がった。

 やめて、透明な壁を開けないで。

 ニャー!

 あなたは笑いながら、透明な壁の向こうから、大きな布を取り出した。

 あなたが何か言いながら、透明な壁を閉じる。

 そうするとまたいつものひんやりとした空気が私たちの家に広がっていく。

 大きな布を床に置いて、あなたは梯子の上に行ってしまった。

 私は知ってる。これは私たちの寝床のふわふわの布をくるんでいる、気持ちの良い布よ。この布はいつもより暖かくなっていて、いい匂いがした。

 梯子の上から、あなたがふわふわの布を抱えて降りてきた。

 私は知ってる。

 今からふわふわの布を、このあったかい布でくるむのよ。

 だから私はあなたが床に下ろしたふわふわの布に、全身で飛び込んだ。

「コラコラ」

 あなたが何か言いながら笑っているのがわかった。

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