第73話 何してんの!?
お兄ちゃんの部屋に入ると、さっそくスズちゃんがベッドの中へと潜り込んでいた。
「ちょっと何してんの!?」
そこは私のオアシスなのに!
私はもちろんスズちゃんを追い出すため、布団を引き剥がします。
「って、なんで裸になってんのよ!?」
スズちゃんは全身産まれた状態の姿になっていました。
「私、裸にならないと寝れないの」
スズちゃんは眠たそうにあくびをしながらそう言います。
「眠いならここで寝ないでください! というか、私の部屋でいいじゃないですか! 女の子同士なんですから!」
私はスズちゃんの腕を掴むと、無理矢理ベッドから引き摺り下ろします。
でないと、せっかく純度百パーセントのお兄ちゃんの匂いが台無しになってしまう!
「さーちゃん……強引すぎ」
「当たり前じゃないですか! とにかくこっちに来てください!」
私はスズちゃんを引っ張りながらお兄ちゃんの部屋を出ると、隣にある私の部屋へと連れて行きます。
裸で寝られるのはちょっと抵抗感がありますが、この際仕方ありません。背に腹は変えられないっていうやつです。
「じゃあ、ここで寝てくださいね。私はたぶんリビングの方にいるかと思うんで」
「ん、わかった」
スズちゃんは私のベッドに入るなり、すぐに規則正しい寝息を立て始めました。
――どんだけ寝不足なの……?
昨晩一体何をしていたんやら……。
とりあえず私は部屋を出ると、お兄ちゃんの部屋に残されたスズちゃんの荷物を私の部屋に運び入れます。
――スズちゃんには今夜、私の部屋を使ってもらいましょう。そして、私はお兄ちゃんの部屋を……。
これは誠に仕方がないことです。正当な理由です。
今夜はお兄ちゃんの匂いに包まれながら……えへへ♡
【あとがき】
咳が止まらない……。もう5日間。
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