第70話 合宿二日目①

 二日目も同様に午後十二時からの開店とともに多くの客が海の家へと押し寄せた。

 各それぞれのポジションは昨日に引き続き、中野先生と雪平が接客。海江田さんが仕込み。残る俺が焼きそばの調理係となっている。

 仕入れた材料も前日のことを踏まえて、半分ほど増やしているらしい。

 席の方を見渡せば、どこもかしこも満席。おまけに店の外には長蛇の列ができ、テイクアウトも入っているため、出来上がった焼きそばが秒でなくなってしまう。

 クソ暑い中、灼熱の鉄板を前にして、両手をずっと動かし続ける。

 というか、そもそもなんで俺は海の家でこんな手伝いをしているんだ?

 よくよく考えれば、部活だからということで合宿を決めたのであって、今やっていることは完全にボランティアの範疇を超えているんじゃ……?

 ボランティアの定義は利益を求めないことだったと思うが……そう考えると、これも一応活動の一貫として成り立っている。

 何かがおかしい……そんなことを思いつつ、どんどんと焼きそばを量産していく。

 それにしても……せっかく海に来たというのに何一つそれらしいことをしていない。

 さすがぼっちといったところか?

 海に来たところでやることといえば、泳ぐこともしくは美少女の品定めぐらいだろう。

 まぁ今はそんなことができる余裕すらないんだけどな。

 開店してからまだ三十分弱。

 客の来訪はまだまだ衰えるところを知らない。

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