第48話 生徒と教師の関係

 一学期最終日。終業式。

 朝からちょっとしたサウナのように熱がこもった体育館にて、いつものごとく頭頂部が眩しい校長先生の長い話を聞き終え、クラスの教室へと戻って来た。

 ずっと立ちっぱなしだったということもあり、足はふらふら。

 自分の席へと着いた瞬間、椅子に深くもたれかかった。

 それから少しひと息したついたところで担任のロリ巨乳先生が教室内へと入ってくる。


「はいはい、席に着け! さっさと終わらせるぞー!」


 パンパンと手を叩きながら、席を立っていたクラスメイトたちを座らせていく。

 そして、みんなが席に着いたところでLHRが始まった。


「じゃあまず夏休み期間における心得が記載されたプリントを配るが……これは各自で確認しておいてくれ。よく他のクラスの先生はこれを一つずつ読んだりするが、正直あれの意味ってないだろ? みんな守らないと思うし」


 中野先生はプリントを列の一番前の人に数枚配っていく。

 ––––いや、たしかにそうだと思うけどさ……。だからと言って、教師がそんな諦めた口調を叩いちゃいけないだろ……。

 そんなことを思いつつ、前から回ってきたプリントを受け取る。

 よくよく見れば、雪平と一緒にホチキス留めをした例のプリントだった。


「よし、配布プリントはこれで以上だ。最後に成績表を渡す。出席番号順に教卓の前へ並べ」


 それからしてどんどんと成績表が配られていき、早くも俺の番へとなる。

 教卓の上にぎゅむっと乗っているおっぱいがなんとも迫力があるというか……思わず唾を飲んでしまった。


「工藤。席に着いたらすぐに中を見ろよ?」


 中野先生は声を潜めながら、俺に成績表を手渡してきた。

 俺は何がなんだかわからず、なんとなく受け取る。

 ––––中を見ろってどういうことだよ……。

 もしかして、成績が良すぎて限界突破したとか? 例えば評定五が六になったとか?

 はははは……。

 そんなわけねーか。

 席に着いたところで言われるがまま、二つ折りにされた成績表を開き、中を見る。

 すると、そこにあったのは……付箋?

 

 ”放課後、話したいことがある。部室に来い”


 どことなくラブレター感が出ているところになぜかドキドキしながらも、すぐに付箋を剥がし、ズボンポケットの中に突っ込んだ。

 ––––話したいことってなんだよ! てか、わざわざなんで付箋なんだ!?

 別に放課後、普通に呼び出せば済む話じゃないか!

 それとも……他の人には聞かれたくない何か、か?

 いやいやいや。

 俺と中野先生は生徒と教師の関係だし、そんな話あるわけがない。

 現実の世界でそんな恋愛……バレたら後日、テレビニュースで報道されてもおかしくないことだぞ?

 たぶん俺の考えすぎだ。うん、そうに違いない!

 

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