第31話 気が抜けない……

 四日間にも及ぶ期末考査が終わった。

 これでひとまず一学期の成績は決まってくるだろう。

 夏休みまで残り約三週間。

 終業式の前日にクラスマッチとかいう意味わからん行事があるから、それでまた憂鬱なのだが、それはそうと、今回のテストは本当に難易度が上がっていた。

 結構問題文をひねくっているものとかが多かったし、数学に関しては普通に公式だけを当てはめて考えても答えには辿り着けなかったくらいだ。

 だが……思っていたよりかはそこまでといった感じか……。

 いつもよりすらすらとは解けなかった部分もあるにはあるが、すべて回答欄を埋め尽くすことはできたし……頭を悩ませるほどのものでもなかった。

 これくらいの程度であれば、次もオール満点の学年トップ間違いなしだろう。

 ただ、雪平がどのくらいできたかによっては同点同位の可能性も否めないが……。

 そんなことを考えながら、昼下がりの帰宅路を歩いている。

 一応、今日までテスト期間ということもあって、全部活動は活動禁止の上に学校も午前中の四時間で終了だ。

 他の生徒たちは期末考査が終わったことにより、肩の力が抜け、これから遊びに行ったりするのだろうが、俺はまだ気を引き締めなければならない。

 来週の土曜日までに迫った小松原大学の学力検査……今回程度の難しさであれば、容易に点を取ることができるだろうが、主催している大学が超エリート校。

 日本の中でも難関大学の一つとも言われている以上、そう簡単には点を取らせてはくれないだろう。

 よって、俺は家に帰ったらまた勉強をすることにしている。

 最近では家事など桜がしてくれているし、この時間帯でやる家事と言えば……昼食を作るくらいか?

 まぁ桜からはメールで昼は帰らない旨の連絡を受けているため、ごく簡単なものでもいい。腹持ちさえすれば、俺はなんでもいいと思っているからな。

 ――今日はどれくらい勉強するか……?

 だいたい毎日寝る前の二時間ほどだったが、学力検査まで約一週間。もうちょっと増やした方がいいと思う。例え、記憶力がよくてもだ。

 昼食を食べ終えた後からは特にすることもないし……その時間を勉強に充てればいいか。

 てか、部活がない日ってこんなにも気分が晴れるんだな。

 久しぶりのこの感覚……雪平がいないということもあるが、拘束具から解放された感があってとても自由な気分。

 ほんと……毎日テスト期間だったらどれだけ楽か。

 ……って、考えてしまうのもおそらく俺ぐらいだろうな。俺ってつくづく勉強バカだなって自分でも思うことがあるし……。

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