第25話 じ〜……
一限目のチャイムが鳴ってから数分が経過した。
今は日本史の授業が行われているのだが……隣から妙に視線を感じてしまう。
そのせいもあってか、先生の言っていることがまるで頭に入って来ず、内容そのものに集中できないでいた。
――一体なんなんだよ……。
俺の顔に何か付いているのか?
そう思い、さりげなく顔を触ってみるも特に何かついているわけではなさそうだ。
じゃあ、なんで俺のことを……?
もしかすると、俺ではない他の人を見ているとか?
例えば……涼宮さんとは正反対の席に座っている校内一のイケメン竹内亮介とかありえなくもない。
一応確認のため、頬杖をつきながら尻目でちらっと涼宮さんを見る。
(じ〜……)
……ばっちり目が合ってしまった。
俺はそれに対し、すぐさま視線を逸らす。
――え……え!?
銀髪碧眼美少女にジト目で見つめられれば、誰だって多少なり混乱してしまうだろう。
しかも友だちもいないぼっちの俺がだよ?
ほんと……この状況が逆に恐怖さえ感じてしまう。
それからというもの一限から四限までずっと授業が行われている中で、同じ状況が続き、俺はまったく集中することができなかった。
休み時間の間もぼっちお得意の寝たふりをしていたんだが、隣からの視線がすごいし……かといって、話しかける勇気もない。
――もしかしてどこかで会ったことがある……のか?
銀髪碧眼という目立つ印象……どれだけ記憶を遡ってもない。
ただ忘れているだけか、もしくは会ったことすらないのか……。
そんなことを考えながらも昼休み。いつもの場所である校舎の屋上へと向かった。
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