第21話 聖なる夜は2人で…②

12月24日。八目高前駅前にて。

八つの目を持つ「八目大蛇」のモチーフの石像の前で、葵は待ち合わせをしていた。


ベンチに座って寒そうに何か缶に入っている飲み物を飲んでいる。よく見えないが、色と今の気温からするとココアだろうか。



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「お、お待たせ」


ココアを飲み終わったあと、古賀くんが息を切らして待ち合わせ場所に現れた。


「大丈夫だよ。私も今来た所だから」

嘘。本当は15分以上待っていた。けどそれは私が早く来すぎたから。好きな人とのデートに私は浮かれているのだろうか。


「じゃ、行こうか」

駅の改札口に向かって歩き出す古賀くんの後を後から小走りで追いかけていく。本当はこの手を繋ぎたいけど…今はまだ、とっておく。


八目大蛇の石像の瞳がキラリと輝いた。

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