第16話 玲vsアキ 開戦
夏休みが明けてしばらくしたころ。
後期中間考査が終わり一息ついたところで、ここ八目高校では例年一大イベント「八目高祭」が開催される。そのため通常であれば、現在のこの試験終わりの初めての総合の時間で、この文化祭への準備を始めていくのだが、今年はコロナの関係で八目高祭が中止になり、代わりに絵画コンクールが開催されることになった。
八目高祭費用として蓄えていた資金を画用紙の購入費用などにまわし、生徒会と美術部が中心となって準備を進めることになっている。なお今回生徒会は運営、美術部(2,3年)は審査員として参加するため、作品の応募はしない。
対象は1・2年生で、各クラス(8クラス×2学年)から代表2作品(合計32作品)を提出。生徒会50点、美術部50点、一般生徒100点(100点満点の圧縮評価)の計200点満点で評価され、学年ごとに上位3位まで表彰、さらにはその中から最優秀賞として学年問わずに1作品が選ばれ表彰される。
そのため葵たちのクラスは今、どんな絵を描こうかそれぞれのアイデアを捻り出していた。
葵は絵を描くことは好きだが、得意ではない。図書館から借りてきた風景写真集と睨めっこしながら白紙に大体のレイアウトを描き出している。
アキは意外と得意だ。特にクロッキーやデッサンと言ったものは得意だ。今回より優秀な成績を残せた方が勝者として、玲とバトルしているのである。ちなみにアキは隣に座る葵を描いている。おお、上手い。
郁美は既に彩色工程に入っている。どうやら騙し絵の模写のようだ。確かにこれだと上手い下手は分からなくなる。
玲はアキと同じく葵を描いているようだが…苦戦している。描いては消して、描いては消して。あっ!紙が破れた。ため息をつきながら、教卓の上に置かれてあった予備の白紙を取りに行った。…頑張れ。玲。
日付が経つにつれて段々と完成が近づき、
いよいよ本番の日を迎えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます