灯台と私

 寒空の帰り道。

 海沿いの道は、家まで続いている。


 灯台の明かりが、夜の海を照らす。

 彼は一筋の光を放ち、黒い海を遥か遠くまで白く染めている。


 灯台もと暗し。そんな言葉の通り、彼の足元は深々とした闇に覆われていた。


「そっか」


 それなら私が、彼の足元を照らせばいい。

 私は、彼の大きな体に身を預け、持っていたランタンの灯をともした。


 灯台の明かりは今日も、真っ暗な海を真っ直ぐに照らしている。

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