海風公園

 海を一望できる丘の上の公園で

 青い風を纏ってはしゃぐ子どもたち。


 元気に走り回る彼らを横目に

 老紳士のミドリガメは私にそっとハンカチを差し出して

 優しく、穏やかに、こう語りかけたのでした。


「たとえ両の目では見えなくても、

 お月さまからはその涙が見えてしまうかもしれないよ。

 さあ、帰って涙をお拭き」


 そうして彼はゆっくり、ゆっくりと

 池の畔にある自分の家へ帰ってゆくのでした。

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