第1.6話
何も見えない景色の中、私は目を覚ました。
私は、夢を見た。
誰かの中に入ってその人生の一部を味わった。そんな感じ。
いや、まだ夢は続いているかもしれない。
実は、今、避難所にいることも夢で目が覚めたらそこには見慣れた自宅があったりして。
しかし、そんなことはなく、今の現実はとっくに崩壊を始めている。
ゆっくりと目を開ける。
もう時は夜だった。
なんとなく、立ち上がる。
手が届きそうな、星空の下で生きている私たち。
どのような過去をもっていても。少なからず生き続けようとする。
ふと星が流れる。
いくつもいくつも、何度も何度も流れる。
私は願った。
いつでもどこでも、この四人で生きていくと。
どれだけ、絶望に毒され、染まったとしても。足を折っていたとしても。
この四人なら乗り越えられるような気がする。
心なしに、足元に寝ている彼女たちを見る。
みな、このような現実でも、幸せそうに眠っている。
何事もないように。また何も起こらないように。
そう願っている。ように見える。
油断。
だが、それは必要なことだ。
季節は夏。
空には夏の大三角が光り輝き、私たちを見守っている。
微笑むように、また包み込むように。
腰を下ろし、再び眠りにつく。
皆の温かみが伝わっている。
幸せな気分だった。
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